ドイツ留学情報

ドイツ留学情報

ドイツの教育制度

ドイツの義務教育は日本と同様6~7才からの9年間で、日本の高校3年に相当する18才まで就学するのが基本ですが、ドイツは連邦国家なので詳細は州によって異なります。また、各年度は秋(通常は9月)に始まります。私立の学校も多少ありますが、ほとんどは無料の公立学校に通います。 また、小学校の入学時を1年生、高校卒業時の12年生まで、何年生と呼ぶことが多いのもドイツの特徴です。これは落第や飛び級が多いので、年齢だけでは学年を判断できないことによります。

小学校 / 初等教育

義務教育の小学校は一部例外(6年制)もありますが、その多くが4年制です。小学4年生になると、小学校では生徒の進学校の選択にあたり成績や素行などを元に「推薦書」を作成します。

中等教育課程

ドイツでは小学4年生から進路が大きく分かれます。これまでは大学進学か職業訓練のいづれかに分かれていましたが、昨今では、明確に分かれているわけでもなく、希望と成績次第でコースを変更する道は開かれています。しかしながら、小学校4年生は最初の大きな分岐点と言えます。

中等教育の学校

  • Hauptschulen(基幹学校): 9年生または10年生まで
  • Realschulen(実科学校): 10年生まで
  • Schulen mit mehreren Bildungsgängen(複合教育学校): 希望に応じて基幹学校または実科学校の卒業可
  • Gymnasien(ギムナジウム): 12年生または13年生まで
  • Gesamtschulen(総合学校): 希望と成績に応じてギムナジウムへの編入も可

基本的には成績次第で学校を移ることも学年を飛び越すことも可能ですし、基幹学校や実科学校を出た後に、大学入学資格(Abitur: Allgemeinen Hochschulreife)または専門大学入学資格(Fachabitur: Fachgebundenen Hochschulreife)を取得することもできるので、すべての人に大学進学の道が開かれていると言ってもいいと思います。

大学課程

ドイツの大学の種類

  • Universitäten(総合大学)
  • (Fach-)Hochschulen(専門大学)
  • Technische Hochschulen(工科大学)
  • Musik- und Kunsthochschulen(音楽大学、芸術大学)
  • Pädagogische Hochschulen(教育大学)
  • Verwaltungsfachhochschulen(行政大学)

在学期間

  • 学士課程:3~4年(180~240単位を取得して修了)
  • 修士課程:1~2年(60~120単位を取得して修了)
  • 博士課程:3~5年

学期: 2学期制

  • 夏学期:4~9月(専門大学は3~8月)
  • 冬学期:10~3月(専門大学は9~2月)

継続教育

通常「成人教育」とも呼ばれ、教育水準や資格にかかわらず、新たな職業資格や学校卒業資格を得るための今教育機関です。全日制、夜間学校、通信教育などさまざまな形態があります。Volkshochschule(成人大学)では、語学、コンピュータ、介護など、非常に多くの短期長期のコースが低料金で提供されています。

ドイツへの留学準備

留学期間とビザの有無

ドイツに90日以上滞在する場合は、ドイツに入国した後、1週間以内に(都市によっては2週間以内に)居住地を管轄する住民登録局に住民届けを提出します。次に、入国後90日以内に滞在先の外国人局で「滞在許可」を申請します(日本国籍者の場合、入国前にビザを取得する必要はありません)。申請に必要な書類は、学校の入学許可書、財政能力を証明する保証書(奨学金の証明書、銀行の預金残高証明書など)です。預金残高の目安は一般的には約1年分の生活費に相当する金額と言われています。

申請手続きは州によって異なる場合があり、また予告なく変更される可能性もあるので在日ドイツ大使館のウェブサイトをご参照ください。

大学留学

ドイツの大学は、夏学期と冬学期の2学期(Semester/ゼメスター)に分かれています。 10月から始まる冬学期に入学することが多く、その場合の出願締切りは通常6月末~7月半ば頃、4月から始まる夏学期への入学の場合は出願締切りは11月末~1月15日が一般的です。ただし、大学やプログラムによっては通常と締切りが異なることもあるので、必ず大学に問い合わせて確認しましょう。

応募資格

学士課程:高校卒業(特定の科目を履修)とセンター試験の受験(62%以上の成績)または高等教育機関での取得単位、語学能力などに基づき大学の留学生課が必要条件を提示。大学の入学条件によっては、入学前にStudienkolleg(大学入学準備課程)を修了することを求められることがあります。

  • 修士課程:学士号取得。一定期間の職務経験を求められることもある。
  • 博士課程:修士号、又はこれに相当する学位取得していること。

語学力

  • ドイツ語:DSH(基本的にDSH-2以上の成績)、TestDaf(基本的に全ての分野でレベル4以上)、Goethe Institutで行われるドイツ語検定試験(C2:GDS)など
  • 英語:International Programmesの場合TOEFLなど検定試験のスコアを提出

入学に際し語学力が不十分である場合は、Studienkolleg(大学入学準備課程)を修了することで、応募資格や入学許可が得られる制度があります。

出願方法・選考方法

一般的には入学願書、高校、または、大学の卒業証明書・成績証明書、語学能力試験の証明書などによる書類選考になりますが、専攻分野によっては実技試験(音楽専攻)やポートフォリオ(美術専攻)が求められる場合があります。

出願方法は、大学へ直接送付するか、留学生の書類審査機関であるuni-assist(ウニ・アシスト、オンライン)に提出します。 大学によって出願方法が指定されています。留学生試験でもあるTestAS(Test fur Auslandische Studierende)を導入している大学もあります。

留学費用

  • 授業料:無料か有料かは州により異なります(学士課程は500ユーロ / 学期に設定している州が多いです。修士課程は授業料を納付することがあり、高額な授業料が必要になる場合もあります。 博士課程は無料と有料があります)。
  • 生活費:約800ユーロ / 月
  • 滞在先の種類: 寮、アパートなど

ドイツ大学留学についての情報はDAAD(ドイツ学術交流会)東京事務所が詳しいです。

語学留学

学校の形態

学ぶ学校の形態は下記のような機関になります。

  1. 大学付属語学コース(Sprachkurse an den Hochschulen)
  2. 私立語学学校(Private Sprachschule)
  3. 非営利語学学校(Goethe Institut など)
  4. 成人学校(Volkshochschule)

1.大学付属語学コース

就学期間は大学の学期に準ずることが多く、最低3週間以上が多いです。大学への留学の際に必要なドイツ語検定試験であるDSHやTestDaFのための対策コース、大学入学予備コースであるStudienkollegで開講される語学コースなどがあります。これらのコースはドイツ語中級レベルの学生や、大学の正規課程への入学が決定している学生を対象にしていることが多いです。ただし、初級レベルの学生や大学へ正規入学をする予定がない学生であっても受講できる、短期の夏期コースなどを提供している大学もあります。

2.私立語学学校

一般的なドイツ語コースに加えて、音楽など文化的要素を取り入れたコース、ドイツ語教師のためのコース、ビジネスといった専門分野にターゲットを絞ったコースなどを提供しています。野外活動・スポーツなどを取り入れた夏期コースもあります。クラス形態は、マンツーマンから十数名程度のものまであり、レッスン以外のサービスについても、寮の提供や、空港までの送り迎えなど、学校により様々です。また、英語をはじめとする他の言語を学ぶことができる学校もあります。

3.非営利語学学校

国際文化交流促進のために設立された非営利の語学学校があります。その代表的な機関であるゲーテ・インスティトゥート(Goethe Institut)は、ドイツ国内はもとより、世界各地においてその文化活動と語学教育で重要な役割を果たしており、教材、カリキュラム、レベルの設定基準などを統一して運営しています。ドイツ国内のゲーテ・インスティトゥートは私立語学学校と比較してみると受講料は割高ですが、講義内容、教師陣などが充実していることで知られています。

4.成人学校

地方自治体が成人住民を対象に、歴史、文学、手工芸、料理、さらに職業訓練向けの様々なコースを提供しています。その中に、現地に住んでいる外国人向けのドイツ語コースもあり、現地の生活に必要な会話に重点が置かれた授業が多数あります。これらのコースは、大学入学条件としてのドイツ語能力証明書の取得目的としては不向きのところもありますが、ドイツ語検定試験の対策コースを提供している学校もあります。成人学校の語学コースの授業料は他の語学学校などより安い傾向がありますが、1クラスの人数がやや多く、宿泊施設の斡旋といったレッスン以外のサービスは充実していません。オンラインでの申し込みが可能な学校もあるので、海外からの申し込みを受け付けるかどうか確認しましょう。

入学条件・時期

年齢制限(15~16歳以上など)があり、初級クラスがない場合があります。特に大学付属語学コースは、初級レベルの学生を受け入れない場合があります。入学受付は随時行っているところが多いですが、留学希望時に希望する種類のコースが開講されているかどうか、早めに確認をしたほうがよいでしょう。特に、観光地に近い都市での夏期コースは人気がありますので、早い時期に定員に達することがあります。

クラス

多くの語学学校ではコース開始前に、レベル分けテストが行われます。学校の規模により異なりますが、1クラス平均6~15人ほどで、通常は、初級、中級、上級とレベル別にクラス分けされています。現在、語学のレベル表記には、欧州評議会の定めた語学力評価基準(CEFR)・レベル表記が使われることが多く、初級(A1,A2)、中級(B1,B2)、上級(C1,C2)に分かれています。

プログラム内容

1レッスンの授業時間が45分、1週間に15~30レッスン程度というところが一般的なカリキュラムです。コースの期間は1~2週間の短期集中コースから大学の学期に合わせた長期のコースまであります。

費用:授業料 / 生活費

授業料は学校により異なりますが、約500~1100ユーロ / 月、滞在費は宿泊形態によっても異なりますが、約400~1800ユーロ / 月程度がかかります。

宿泊先

寮、アパート、ホームステイなどがあります。大学が所有する寮の数はあまり多いとは言えません。私立語学学校によっては独自の学生寮を完備しているところもありますが、いずれも部屋の数に限りがありますので、早めに予約するよう心がけましょう。また、アパートやホームステイ先を直接手配する学校がある一方、滞在先リストを紹介するのみの学校もあります。滞在先を決めるにあたり、部屋代だけでなく、食事付きか、利便性が良いかなどの詳細も事前に確かめておくとよいでしょう。

地理

ドイツ連邦共和国はヨーロッパの中心に位置し、複数の独立した16の州によって構成される連邦国家です。連邦制のシステムの特徴は、州は単なる地方政府ではなくきわめて強い権限を持っていることです。そのため、州は独自の州憲法を制定しています。

デンマーク、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク、フランス、スイス、オーストリア、チェコ、ポーランドと国境を接しており、人口は約8,200万でヨーロッパで最も人口の多い国です。主な都市としては、首都ベルリンのほか、北部のハンブルク、南部のミュンヘン、西部のケルン、中央のフランクフルトが挙げられます。ドイツは世界的な経済大国であり、革新的な研究・教育環境を提供しています。

ドイツ
  • 首都:ベルリン
  • 面積:約35.7万㎢
  • 人口:約8,200万人
  • 宗教:キリスト教(62.8%)、イスラム教(5%)
  • 言語:ドイツ語
  • 民族:ドイツ民族(91%)

ベルリン

ドイツ東部に位置する首都で16州の一つで、ドイツ最大の都市です。第二次世界大戦後分断されたベルリンですが、1989年のベルリンの壁の崩壊後、ベルリンは法律の上でも統一され、製造業とサービス業の都市、見本市と国際会議の都市州となりました。私立の語学学校を始め様々な教育研究機関や多様な文化が都市の発展を後押ししています。ブランデンブルク門、ベルリンフィルは有名です。

気候

ドイツは北に位置しますが(赤道よりも北極圏に近い)、気温は驚くほど穏やかです。低地では、極端な暑さや寒さが続くことはあまりありません。湿った西風のため、夏の気温は20度半ばまで上がり、冬には氷点近くまで下がります。最も暖かい夏の月の間わずかに多くなるものの、雨量は一年を通して一定しています。

バルト海周辺では、臨海の気象パターンが当てはまります。夏はかなり暖かいですが、冬は雲が垂れ込め気温も下がります。内陸の気象パターンは少し異なり、はっきりとした季節の変化(大陸性気候特有)が見られます。

もちろん、ドイツ南アルプス地方のより標高の高いところでは、一年中かなり冷えます。夏は涼しく、冬は気温が氷点下になり、降雪量もかなり多いです。このエリアのスキーリゾートは、冬の間は十分な雪がありますが、夏は気温が上がり積雪しないので、ほとんどが閉鎖されます。

時差

ドイツ時間は日本時間より8時間遅れています。夏時間を実施しており、その間は7時間の時差となります。

  • 夏時間への移行日:3月の最終日曜日より
  • 冬時間への移行日:10月の最終日曜日より

ドイツ語能力検定試験

DSH(Deutsche Sprachpruefung fuer den Hochschulzugang auslaendischer Studienbewerber)

ドイツの大学に願書を提出し、その大学から指示された場合にのみ受験するドイツ語試験。ドイツ国内で実施。一般的にDSH-2以上が合格ライン。詳細は各学校に問い合わせてください。また、英語能力の証明書が必要な場合は、TOEFLやIELTS等のスコアを出すのが一般的で、学科で必要な試験や点数がそれぞれ指定されています。ちなみに、検定試験や語学コースのレベル表示には「ヨーロッパ言語共通参照枠組」がよく使われています。レベルは6つの段階に分かれていて、A1・A2(初級)、B1・B2(中級)、C1・C2(上級)となっています。

  • 実施機関:ほとんどのドイツの大学、またはDSH受験のための準備コースを設けている語学学校など(ドイツでのみ受験可能)。DSH-1、DSH-2、DSH-3のレベルからなり、DSH-2が一般的な合格ライン(専攻によってはDSH-3が求められることも有り)
  • 受付会場:志望大学の留学生担当部署や語学学校に問い合わせる
  • 試験時期:随時、または学期の始まる時期に合わせて受験
  • ウェブサイト:ドイツの大学、語学学校など
  • 申し込み先:志望大学の留学生担当部署や語学学校の窓口

TestDaF(Test Deutsch als Fremdsprache)

英語能力試験のTOEFLをモデルに作られたドイツ語検定試験。日本で受験可能。大学入学には、通常TestDaFのすべての分野(読解力・聴解力・文章表現力・口述表現力)で4レベルを求められるが、3レベルでも入学許可の可能性がある。

C2:GDS(C2:Grosses Deutsches Sprachdiplom)

ゲーテ・インスティトゥートが実施する検定試験。日本で受験可能。大学入学には、専攻分野によりB1あるいはB2以上のレベルが求められるが、必ず志望校に問い合わせ、確認すること。合格するとドイツ語圏の大学に入学する際の語学試験が免除される。

  • 実施機関:ゲーテ・インスティトゥート(Goethe Institut)
  • 受付会場:東京
  • 試験時期:3、9月
  • 申し込み先:日本ドイツ文化センター

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