イギリス留学情報
イギリスの教育制度
イギリスには約130の大学があります。それらの大学の中には世界的にも高いレベルを誇る大学も多く存在し、世界の教育および研究を強くリードしています。教育に対して伝統を重んじるイギリスでは、現在、多くの大学が世界中から多数の留学生を受け入れ、主要都市のみならず、大学キャンパス内も非常に国際化が進んでいます。
イギリスのほとんどの大学は期間が3年間となっています。入学後すぐに専門課程の勉強に入るため卒業までにかかる期間は3年間です。日本の高校を卒業してすぐにイギリスに留学する場合は、大学へ入学する前にファンデーションコース(大学進学準備コース)で専攻する分野の基礎知識と共に、進学英語やカレッジスキル(ノートテイキング、カレッジライティング、プレゼンテーションなど)などを約9ヵ月間かけて勉強することになります。
イギリスの大学では伝統的に「チュートリアル」と呼ばれる制度を導入しています。通常の大教室などで行われるレクチャー形式の授業に加え、1クラスを小さなグループに分け、「チューター」と呼ばれる補助教員が大教室でのレクチャーをさらに分かりやすく解説したり、チューターと学生、または学生同士のディスカッションが行われます。与えられた問題やテーマに対して、「自分の考えが正しいか間違っているか」ということより「自分はどう考えているか」ということを重視されます。イギリスでは、学生のそれぞれの文化的・社会的背景に基づいた意見を尊重する風潮があるため、自信を持って発言することが最も重要と言えるでしょう。
イギリスへの留学準備
イギリス留学にはいくつかのパターンがあります。代表的なものは以下の3パターンです。
- 語学学校(大学付属/民間)
- ファンデーションコース(大学進学準備コース)⇒大学
- 大学院
留学準備として必要なことは、目標とする学校のタイプ(語学学校、大学、大学院)によって異なります。語学学校への留学には、特に申し込み時の英語力や学力は問われませんが、条件付き入学、大学、大学院とレベルが上がるにつれて、出願に必要な条件が厳しくなります。審査基準となるものは、主に英語力とGPA(最終学歴の評定平均値)です。
地理
イギリスは、南東部のイングランド、北部のスコットランド、南西部のウェールズで区切られます。かつてイギリス領であったアイルランドは、1999年12月以降、自治体制に転換されました。ロンドンを中心とした南部は田園地帯、ウェールズは荒涼とした丘陵地帯、スコットランドは山々がそびえる山岳地帯で区分されます。イングランド地方を中心に運河が発達しており、19 世紀初頭までは重要な輸送路として利用されてきました。
- 首都:ロンドン(London)
- 人口:約6,400万人
- 面積:241,752㎢
- 都市:エジンバラ(Edinburgh)、リバプール(Liverpool)、ケンブリッジ(Cambridge)
- 民族:アングロサクソン(Anglo-Saxons)、ケルト(Celts)
- 言語:英語
- 宗教:英国教会(Anglican、50%)、カトリック(11%)、プロテスタント(30%)、その他(39%)
気候
イギリスは海洋性気候で全体的に夏は涼しく、冬は温暖だが、気候変動が非常に激しいことでも知られています。一般的に大西洋に面した西部と北部では、降水量が多く、東部では雨量が少ない傾向があります。降水量が最も多いのは、スコットランド西海岸です。
時差
日本より9時間遅れており、サマータイム実施中は1時間早まります。
英語力試験
イギリス留学に必要な英語力はIELTSです。学生ビザを取得する場合、IELTS以外の試験では英語力の証明ができませんので、十分に注意し、計画的にスコアを上げていきましょう。
IELTS (International English Language Testing System)
IELTS(アイエルツ)はイギリスで開発された英語力判断テストで、Listening、Reading、Writing、Speaking、の4セクションから構成されています。ReadingとWritingについてはアカデミックとジェネラルの2種類のモジュールがあり、留学に際してはアカデミック・モジュールの受験が必要となります。IELTSは記述式のテストで、Speakingに関しては面接官との対話形式のテストが実施されます。今日ではイギリス、アイルランド、オーストラリア、ニュージーランドはもちろん、近年ではアメリカのほとんどの大学においても出願時にIELTSが有効です。日本においては、(財)日本英語検定協会が試験の窓口となっています。
IELTS公式情報
イギリスの語学留学
どこで学ぶか?
私立(民間)の語学学校または、大学付属の語学コースで学びます。語学学校は授業や生活における指導・アドバイスがきめ細かく、大規模なチェーン校から、小規模でアットホームな学校まで、さまざまなタイプから選べます。大学付属のコースは大学キャンパスで学べるため、キャンパス内の施設が使えたり、現地の学生と交流したり、大学の学生団体やサークルに所属できるチャンスもあります。
出発前の英語力はどれくらい必要か?
語学学校は日本の中学校レベルの基礎を学ぶ初心者レベルから、ネイティブとビジネスでやりとりができる上級レベルまで、幅広いコースを開講しており、自分にあったレベルで学ぶことができます。学校初日に英語のプレイスメントテスト(クラス分けテスト)があり、初心者レベルから上級者レベルまで、英語力によってクラスが決定します。
どんな費用が必要か?
語学留学に必要な費用は、授業料・滞在費・食費・フライト費用・教材費・お小遣い・交通費・留学保険・諸手続き費用などが挙げられます。滞在費はホームステイや寮など滞在方法によって、フライト費用は時期によって違いが出てきます。また、都市によって物価が違うことから、留学先によって生活費にも差が出てきます。
1週間のスケジュールは?
語学学校では月~金曜に授業があり、Reading、Writing、Listening、Speaking、発音クリニック、ボキャブラリー養成、文法、アメリカ文化、TOEFL/TOEIC対策など多種多様なクラスが設けられています。学校によっては選択科目があったり、週1回午後だけフリータイムがある学校もあります。基本的に土・日曜はフリータイムで、個人で自由に過ごせますが、学校が企画する小旅行やアクティビティに参加することもできます。
英語のほかに何が学べるか?
語学留学には一般の語学コース以外にも、IELTSなどの試験対策コース、大学への進学準備コースなどがあります。また、アート、ファッション、建築学、マスメディア、イギリス文化など、語学留学の学生を対象とした特別なクラスを提供している語学学校もあります。
滞在の種類は?
留学生の主な滞在方法には、ホームステイ、寮(学生寮・民間寮)、アパート(フラット)があります。短期の語学留学なら、1日でも早く海外での生活に慣れ、会話力も磨けるよう、ホームステイがおすすめです。長期の留学なら、はじめはホームステイにし、慣れてきたらアパート(フラット)に移りシェアハウスのように生活する人もいます。
イギリスの大学/大学院留学
入学に必要な学歴は?
イギリスの大学(3年制)に入学する場合、高校卒業の資格が必要です。イギリスの大学への進学を希望する留学生は出身高校の成績、IELTSスコア、志望動機書などが入学審査の判断材料となります。
入学に必要な学力は?
出身高校の成績を提出します。いわゆる難関大学/人気大学になるほどよい成績が求められるため、英語だけでなく、他の科目でもよい成績を修めておく必要があります。イギリスの場合、規定の期間はファンデーションコースを経由して大学に入学し、3年間で卒業する方法が一般的です。大学院では主にIELTSのスコア、大学でのGPA、志望動機書、推薦状などが必要となります。
より経済的にイギリス留学をする方法は?
日本政府が実施している「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」や、留学先の大学や政府をはじめ、さまざまな団体が奨学生を募集しているので、それらをうまく活用することをおすすめします。また、日本の各自治体(都道府県、市区町村など)が提供しているものあります。そのほか、ロンドンなどの都市部は避けたり、シェアフラットをしたり、大学近くに住むことで毎日の通学にかかる交通費を節約したり、工夫次第では留学費用を安く抑える方法はたくさんあります。
費用はどれくらいかかる?
都市・エリア、選んだ留学スタイル、学校によっても変わってきますが、授業料と生活費(滞在費、食費、交通費、交際費など)を留学期間中、支払えるだけの十分な資金は必要です。イギリスの平均的な留学費用は、年間350~400万円程度となり、出願時に預金残高証明書を提出することが求められます。
イギリスの大学で学べる専攻は?
イギリスで学べる専攻は多種多様です。自分が何に興味を持ち、何を学びたいかを考える必要があります。将来の仕事に直結した学問を選ぶか、仕事には直結しないがその学問を学ぶことで身につけた何らかのスキルが仕事に大きく結びつくこともあります。イギリスで特に特徴的な専攻は、ビジネス、国際関係学、平和学、開発学、歴史学、アート、ファッションデザイン、ファッションビジネス、演劇学、マスコミュニケーション、メディア学、などがあります。