マレーシア留学情報
マレーシアの教育制度
イギリスの植民地であったマレーシアの教育制度はイギリスやオーストラリアとよく似ており、小学校6年間と中学・高校の5年間を経て大学進学、または就職します。大学の学部課程は3年間ですが、大学1年生から専門課程を学ぶため、Foundation CourseやPre-University Programで一般教養課程を履修してから大学へ進学する場合やDiploma Course修了後に大学2年生に編入する場合があります。
高等教育機関は、ポリテクニック、カレッジおよび大学の3種類に分けられます。入学者選抜の要件は、その多様な専攻の目的により異なっています。
ポリテクニック
専門技術や職業分野を専攻する学生のための教育機関。修了時に卒業証書または修了証書が授与されます。入学要件は、SPM/SPM-V資格証明もしくは同等の資格となります。一般的に、卒業証書課程は3年間で、修了証書では2年間です。
カレッジ
教員訓練カレッジが30校、加えて公立カレッジ2校、すなわちITM(Institut Teknologi MARA)およびKTAR(Kolej Tunku AbdulRahman)があります。ITMは1956年に、KTARは1969年にそれぞれ設立されました。主に商業や応用科学、技術分野の修了証書、卒業証書ならびに大学準備課程の提供が行われます。
大学付属カレッジ
主に工学部門における科学技術系の卒業生の不足を補う目的で創設されました。また学位レベルまで研究を続ける技術職業分野の学生も受け入れています。
大学
マレーシアには約30校の公立大学、約50校の私立大学があり、学士過程のほか大学部、大学院の研究課程が提供されています。
国立大学であるマラヤ大学(UM)、プトラ大学(UPM)などは一般的に現地のマレーシア学生を対象としており、コースの大部分がマレー語で行われている上、留学生の受け入れ人数に上限を設けている大学もあるため、マレーシア学生の割合が圧倒的に多いことが特徴です。
一方、私立大学では留学生の受け入れには積極的な傾向があり、様々な学部への出願における基準や英語レベルもそれほど高くありません。またアメリカ・イギリス・オーストラリアの海外大学への編入制度等も整っているため、学部編入や同時学位取得を目的とする学生にとっては良好な環境が整えられています。
なお、数は少ないものの海外大学のサテライトキャンパスもあります。これら大学は他のマレーシア私立大学に比べると、出願するための基準が比較的高いものの、学費はそれらの本校に比べると割安なことが特徴です。
マレーシアへの留学準備
出願の時期
ビザの要・不要、長期留学か短期留学、留学のタイプにもよりますが、ビザが必要な場合は約4~5か月前、正規留学の場合は約1年前を念頭に検討してください。
留学期間とビザの有無
90日未満の留学=原則として6ヶ月以上の残存期間のあるパスポートと往復航空券があれば、学生ビザの取得は不要です。3か月以上の留学期間=学生ビザの取得が必要です。
学校により、期間に関わらず学生ビザの要・不要が異なる場合があり出願予定の学校に確認することが求められます。日本国のパスポート所持者はビザ無しで、原則1年間に最大180日まではマレーシアに滞在することが可能です。入国後、90日より前に一旦マレーシアを出国し、再入国すれば、更に90日間の滞在許可を貰うことができます。但し、3回目以降の入国審査は厳しくなるルールがあります。
学生ビザは18〜35歳の方が申請できます。また別途アルバイト就労のためのパスを取得することで最大20時間/週の就労が可能です。
ビザ無しで入国後、マレーシア国内でのビザ申請はできません。原則として学生ビザは入国後に申請しますがその場合は、出発前にシングルエントリービザを取得する必要があります。学生ビザ申請にあたり6カ月ビザで6~7万円、1年ビザで8~9万円程度の費用がかかります。また、指定の保険に加入する必要があります。
※最新のビザ情報については在日マレーシア大使館にてご確認ください。
マレーシアの概要と地理
東南アジアの中心に位置するマレーシアは、マレー半島とボルネオ島の北部沿岸地域(サバ州、サラワク州)の2つに分かれた地域成り立っています。国土面積はマレー半島部分とボルネオ島部分を合わせ、33万338平方キロメートル。国土の約60%が熱帯雨林。また人口約3000万人のマレーシアは、主要民族であるマレー系・中国系・インド系、そして多数の部族に分けられる先住民族で構成される多民族国家であり、それぞれの民族が持つ宗教、生活習慣が溶け合うことにより独特な文化がうまれることでマレーシアの魅力が成り立っていると言えます。近代的な首都クアラルンプールの一方、リラックスできるビーチや熱帯雨林、魅力的な島々、神秘的で荘厳な山々など自然美に溢れる国です。
- 首都:クアラルンプール
- 面積:33万㎢(日本列島の約0.9倍)
- 人口:約2,995万人
- 宗教:イスラム教(61%)、仏教(20%)、キリスト教(9.0%)、ヒンドゥー教(6.0%)、儒教・道教(1.0%)、その他
- 言語:マレー語、中国語、タミール語、英語
- 民族:マレー系(約67%)、中国系(約25%)、インド系(約7%)
マレーシアでの言語と宗教
公用語はマレーシア語(またはマレー語)ですが、多民族国家のため中国系住民社会では中国語(普通話、北京語、福建語等)、またインド系住民の多くはタミール語を使用しています。なお各民族間での会話では広く英語が使用されているので、旅行やビジネスでは英語が主体となります。
3つの主要民族と複数の先住民族による、それぞれ別々の宗教が混在しており、その文化、風習に基づいた生活習慣を送ります。
主には人口の約70%を占めるマレー系住民が信仰しているイスラム教です。また25%を占める中国系住民が信仰する仏教、人口の8%を占めるヒンズー教(インド系住民)のほか、イギリス植民地時代に伝来したキリスト教などの宗教も信仰されています。
国教として指定されているイスラム教は戒律が厳しく、イスラム系住民は朝、昼、午後、夕方、夜と毎日5回のお祈りを欠かすことなく、公共至るところにお祈りのための設備が設けられています。また豚は不浄な動物といわれているため食べてはならず、他の動物も正規の手続きに沿って処理されたもの以外は食べることができません。このような戒律に沿って提供されるハラル製品は今後の成長分野として、食品業界からも注目されつつあります。またヒンズー教では、牛肉を食べることが禁じられています。
さらにイスラム教、ヒンズー教では、アルコール類の摂取も禁じられていますが、中国系住民や外国人がその制限を受けることはありません。
気候
赤道に近くに位置するマレーシアは熱帯雨林気候に属しており年間を通じて常夏の気候です。年間の日中平均気温は27~33℃で年較差は1~2℃。季節は雨季と乾季に分かれますが、乾季でもスコールと呼ばれるにわか雨が降ります。雨季でも一日中雨が降り続くことはありません。
時差
日本とマレーシアとの時差は、1時間です。日本の方が、1時間進んでいます。
マレーシアの語学留学
学ぶ学校の形態は
A. 私立語学学校
少人数制クラス、コミュニケーション能力の向上を目的とした授業が特徴。ほぼ毎週月曜日から入学できる学校が多く、期間も週単位で申し込むことができるため受け入れに柔軟です。
B. 大学付属語学学校
学期制での入学が可能で、クラス人数は多め、また授業も読解や文法を重点的に学ぶ傾向があります。料金的には私立学校よりも安価で現地の大学生との交流が図れる機会も期待できます。
費用について
私立語学学校については、月当たりの予算(授業料・宿泊費・現地諸経費)は23~30万円に渡航費(航空券や海外旅行保険など)を見込んでください。
滞在タイプの種類は
学生アパートやレジデンスが一般的です。大学付属語学学校であれば、その大学の学生寮に宿泊ができます。