中国留学情報
中国の教育制度(高等教育機関)
中国の高等教育機関は次の通りに分かれます。
- 高等専科学校:2~3年
- 大学・大学院
- 学士課程(本科)4~5年
- 修士課程(碩士)2~3年
- 博士課程(博士)3~4年
高等教育機関は所属としては国家教育部直属のほか、省などの自治区や都市、地方都市、そして私立学校に分けられます。大学の種類としては総合大学、単科大学、高等専科学校があり、総合大学、単科大学は主に本科課程以上の教育を実施し、高等専科学校では専科課程の教育を行います。
中国科学院や中国社会科学院に代表される国務院教育行政部門に認可された科学研究機構も碩士、博士課程レベルの教育を担います。学位は、学士、碩士、博士の三段階に分けられています。
学期は2学期制が採用されており、1学期目は9月初旬から、2学期目は2月または3月中旬からとなり、 各学期の期間は約5か月間です。基本的な入学時期は秋学期のみですが、学位取得を目的としない聴講生としての留学であれば、春学期等でも入学が可能な場合があります。
留学条件・必要書類としては、本科(専科・学士)課程ではまず高校卒業の資格が必要です。通常、各大学では卒業証書、成績証明書、HSKのスコアなどを書類審査のうえ合否出します。書類審査に加えて、筆記試験や面接試験が必要とされる場合もあります。
中国語能力試験
HSK試験(漢語水平考試)
中国の国家汉办により開発された中国語検定で、中国語を母国語としない中国語学習者のための中国政府公認の中国語能力検定試験です。開発が繰り返されリニューアルが施されたHSKはCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)に合うよう設計されており、あらゆるレベルの中国語学習者に対応できるよう、試験難易度の幅を広げられています。なお言語知識の測定だけではなく、受験生が中国語を運用し、実際にコミュニケーションを行う能力を測定・評価することを目的としています。1~6級のいずれかを受験し、1~4級はスコアリポートに得点と合否が表記され、5、6級は得点のみ表記されます。口語試験は、初級、中級、高級のいずれかを受験しスコアリポートには得点のみ表記されます。
日本でも受験が可能です⇒ HSK日本実施委員会
中国への留学準備
出願の時期
ビザの要・不要、長期留学か短期留学、留学のタイプにもよりますが、語学留学の場合は約3~4か月前、正規留学の場合は約1年前を念頭に検討してください。
留学期間とビザの有無
15日以内の滞在=ビザを取得する必要はありません。180日以上の留学はX1【長期留学】、180日以内の留学はX2【短期留学】ビザを在日中国大使館または領事館へ申請します。
X1【長期留学】ビザ申請必要書類
- 中華人民共和国査証申請表
- パスポート原本とそのコピー(6ヶ月以上の有効期間、2ページ以上の空白ページが必要)
- 6ヶ月以内に撮影された証明写真(4㎝×3cm、正面、無帽、無背景、カラー)
- 日本に長期滞在をしている第三国人は、《在留カード》の原本とコピー
- 日本に短期で滞在している第三国人は、日本上陸許可の記録のある旅券原本とコピー
- 中国の招聘元発行の通知書原本とコピー
※X1ビザ取得後、中国に入国してから30日以内に滞在地の地方人民政府公安機関出入境管理機構に居留許可の申請を行う。(X2ビザは居留許可申請不要)
※ビザ申請時の《外国人体格検査記録PHYSICAL EXMINATION RECORD FOR FOREIGNER》の提出は原則不要ですが、中国現地での居留許可申請時には同記録の提出が義務付けられています。日中友好医院或いは国公立病院での受診結果が利用できます。
X2【短期留学】ビザ申請必要書類
- 中華人民共和国査証申請表
- パスポート原本とそのコピー(6ヶ月以上の有効期間、2ページ以上の空白ページが必要)
- 6ヶ月以内に撮影された証明写真(4㎝×3cm、正面、無帽、無背景、カラー)
- 日本に長期滞在をしている第三国人は、《在留カード》の原本とコピー
- 日本に短期で滞在している第三国人は、日本上陸許可の記録のある旅券原本とコピー
- 中国国内の招聘元発行の通知書原本とコピー
※最新のビザ情報については在日中国大使館・領事館にてご確認ください。
地理
中国=中華人民共和国はアジア大陸の東部、太平洋の西海岸に位置しており、国土面積は約960万平方キロ、ロシアとカナダに次ぎ世界で3番目の広さを誇ります。
陸地の国境線は2万2800キロで、東は朝鮮民主主義人民共和国、北はモンゴル国、北東はロシア、北西はカザフスタン、キルギスタン、タジキスタン、西と南西はアフガニスタン、パキスタン、インド、ネパール、シッキム、ブータン、南はミャンマー、ラオス、ベトナムと接し、東部と東南部は韓国、日本、フィリピン、ブルネイ、マレーシア、インドネシアと海を隔てて向かい合う形となります。
海岸線は約1万8000キロで、海岸の地勢は平坦で、数多くの良港に恵まれるため、大部分は1年中凍ることがありません。中国大陸の東部と南部は渤海、黄海、東海と南海に臨んでいて、海域面積は約473万平方キロ。渤海は中国の内海で、黄海、東海と南海は太平洋西端の海です。海域には、5400の島が分布し、そのうち最大の島は面積約3万6000平方キロの台湾島で、その次は面積約3万4000平方キロの海南島。
台湾島の北東海域に位置する釣魚島、赤尾島は中国の最東端の島です。南海に散在する島嶼、礁(サンゴ礁)、灘(砂浜)は一括して南海諸島と称され、中国最南端の島嶼群で、位置の違いによって東沙群島、西沙諸島、中砂群島と南沙群島と称されています。
- 首都:北京
- 面積:約960万㎢(日本列島の約26倍)
- 人口:約13.76億人
- 宗教:仏教、イスラム教、キリスト教など
- 言語:漢語(中国語)
- 民族:漢民族(約92%)
中国での言語について
中央政府の標準語政策により、北中国の言語として代表される北方語を基礎とする「普通話」を標準語とされています。同じ中国語ではあっても、呉語、粤語、閩語などの様々な言語があり、特徴も大きく異なるため、かつては北京人と広東人では会話が通じなかったのですが、現代では一般的に、全人口の7割程度が普通話を理解するといわれ、方言話者の若い世代は普通話とのバイリンガルとなっていることが多いです。
なお、イギリスの植民地であった香港では、北京語と共に広東語および英語も公用語とされており、チベット、ウイグルなどの各少数民族はそれぞれの固有の言語も使用するものの公用語は北京語です。政府は少数民族の言語を尊重する姿勢を示しながら、中学校以上の高等教育は原則として少数民族の言語は使用せず、北京語のみで教育を行うことや、ウイグル人に対しては子供を漢民族地域に居住させて北京語で教育することなどにより、北京語を普及させる政策を取っています。
気候
世界第三位かつ日本の約25倍の国土を持つ中国では気候も寒帯から熱帯まで存在しています。主要な留学地として人気の高い首都・北京は大陸性の気候で、1年を通じて寒暖差が激しいのが特徴です。夏は日差しが強く、最高気温は30度を超える日も。一方、冬はシベリア高気圧の影響で乾燥し厳しい寒さのため寒さ対策は万全に。最低気温はマイナス10度を下回ることもあります。ベストシーズンは最も美しい季節は秋(9~10月)で紅葉も色づき、気温も適度に下がって過ごしやすいです。
北京より南に位置する上海の気候は、四季の区別がある亜熱帯湿潤季節風気候。冬は気温が東京と同じ程度まで冷え込みますが雪はほとんど降りません。夏は暑く多湿で台風の影響を大きく受けます。上海のベストシーズンは春と秋で乾燥した晴れの天気が多くなります。西洋風のエキゾチックな街並に人気があります。
時差
日本と中国との時差は、1時間です。日本の方が、1時間進んでいます。
中国の語学留学
学ぶ学校の形態は
A. 私立語学学校
少人数制クラス、コミュニケーション能力の向上を目的とした授業が特徴。ほぼ毎週月曜日から入学できる学校が多く、期間も週単位で申し込むことができるため受け入れに柔軟です。
B. 大学付属語学学校
学期制での入学が可能で、クラス人数は多め、また授業も読解や文法を重点的に学ぶ傾向があります。料金的には私立学校よりも安価で現地の大学生との交流が図れる機会も期待できます。
出発前に必要な中国語学力は
事前に基本的な中国語の語彙や文法などの知識が必要です。
費用について
北京や上海の私立語学学校については、月当たりの予算(授業料・宿泊費・現地諸経費)は25~30万円に渡航費(航空券や海外旅行保険など)を見込んでください。
中国語のほかに学べる内容は
短期のプログラムとして、中国絵画や、太極拳、または万里の長城ツアーとセットになったプランもあります。
滞在タイプの種類は
学生アパートやレジデンス。大学付属語学学校であれば、その大学の学生寮に宿泊ができます。