カナダ留学情報
カナダの教育制度
カナダには約100の大学があります。それらの大学の中には世界的にも高いレベルを誇る大学も多く存在し、世界の教育および研究を強くリードしています。カナダはアメリカ同様、長年にわたり多民族・多文化の融合を繰り返して形成されました。特にカナダ東部のケベック州はフランスからの移民の歴史が影響し、今でもフランス語のみが公用語として認められています。
カナダの100の大学には、主に大学(University)と2年制大学(Community College)があり、運営形態も州立(公立)、私立などがあります。各学校は地域の特徴を活かし、全ての学生がより充実した学生生活を送れるよう、大学設備が整っているのが利点です。
カナダにも大小さまざまな大学がありますが、たとえ大規模大学でも少人数で行う授業も充実しており、一方通行の授業よりも、教員と学生、または学生同士のディスカッションを中心に展開する授業も少なくありません。与えられたテーマについて、自分の考えをしっかり持ち、それを伝える力が問われるため、ライティングやスピーチの授業を一般教養科目として必修化している大学も多く存在します。
カナダの教育は、古くから「イノベーションのインキュベーター」として知られています。フラットスクリーン技術、スマートボード、携帯電話・コンピューター用音声圧縮アプリケーション、IMAXなどの画期的な製品や技術は、全てカナダの大学で学んだ人が開発しました。
カナダへの留学準備
カナダ留学にはいくつかのパターンがあります。代表的なものは以下の3パターンです。
- 語学留学
- 2年制大学(コミュニティカレッジ)留学
- 4年制大学/大学院留学
また、下記のチャートのように目標の学位を取得するにあたり、他の教育機関を経由して、最終的に目標の学校を目指すパターンがあります。このシステムはアメリカとよく似ていることでも、カナダ留学は1つの選択肢として考えやすいと言えます。
留学準備として必要なことは、目標とする学校のタイプ(語学学校、コミュニティカレッジ、4年制大学、大学院)によって異なります。語学学校への留学には、特に申し込み時の英語力や学力は問われませんが、コミュニティカレッジ、4年制大学、大学院とレベルが上がるにつれて、出願に必要な条件が厳しくなります。審査基準となるものは、主に英語力とGPA(最終学歴の評定平均値)です。
地理
ナイアガラの滝、カナディアン・ロッキーなどの壮大な風景のから連想されるように、カナダでは全てのものが大きい国です。国土面積は、日本列島の約45 倍に達し、ロシアに次いで世界No.2。国境は五大湖から北極圏まで続き、西は大西洋、東は太平洋に接し、ほとんどの領土は、高い山と緑豊かな森林、ツンドラ地帯、大平原、湖と川で構成されています。しかし、広い面積の割にはその多くが山岳地帯と寒冷気候のため、人が住むことができる地域は限られます。
- 首都:オタワ(Ottawa)
- 面積:9,970,000㎢(日本列島の25倍)
- 人口:約3,5420万人(2014年現在)
- 宗教:カトリック(46%)、プロテスタント(36%)、その他(18%)
- 言語:英語(62%)、フランス語(12%)
- 民族:英国系(28%)、フランス系(23%)、ドイツ系(3%)、その他(37%)
気候
世界で二番目の国土面積を誇るカナダは、北部の氷河から太平洋に隣接する西部地域に広がる広大な草木地帯に至るまで、さまざまな地形を持ちます。そのため、気候もさまざまです。そのような環境でも、基本的には日本と同じように四季の区別がはっきりしています。
カナダ西部
バンクーバー、ビクトリアなどの都市があるブリティッシュ· コロンビア州を含むカナダ西部は、夏は乾燥し、冬は温暖で雨の多いシーズンとなります。
カナダ中部
ロッキー山脈と五大湖につながる平野地域で、季節によっては昼夜の温度差が激しい気候のため、あまり人は住んでいません。代表的な都市はカルガリー、ウィニペグなどがあります。
カナダ東部
トロント、オタワが代表するオンタリオ州は、カナダ人口の約半分が居住しており、人口密集地域と言えます。夏と冬の温度差が激しく、冬には雪が、夏には雨が多い地域です。
カナダ南部
この地域は、大陸性気候と大西洋気流が合わさって、気候が不安定となっています。冬は大変寒く、豪雪地帯となっています。春から夏にかけては霧がかかる日が多く、湿度が高く、日本の夏と似ています。
大西洋岸
ノバスコシア、ニューブランズウィック、プリンスエドワードアイランドがある大西洋沿岸地域は、海に囲まれ、気候変動が激しい方地域です。夏と冬の気温差が激しく、夏は25~30℃前後、冬は-10℃前後になります。国内の他の地域より気温が低く、雪がたくさん降るのが特徴です。
カナダ北部
ヌナブト準州、ノースウェスト準州、ユーコン準州のカナダ3準州を含む北部地域は、冬が9ヶ月間にも及び、夏が非常に短いのが特徴です。夏には24時間陽が沈まない白夜現象が起こるのに対し、冬には漆黒のような暗い日が続きます。ほぼ一年を通じて大地が氷で覆われている極寒地域で、居住人口が非常に少ないエリアです。
時差
カナダは太平洋沿岸(Pacific)、山岳地帯(Mountain)、中央部(Central)、東部(Eastern)、大西洋沿岸(Atlantic)、ニューファンドランド(Newfoundland)の、合計6つの時差区分があります。バンクーバーが属している太平洋の東部圏まで各1時間の差があり、大西洋圏は東部圏より1時間早く、ニューファンドランド圏域は大西洋圏域より30分早くなります。東西間の時差は4 時間30分です。日本はカナダより、夏には16時間、冬には17時間早くなります。4月の最終日曜日から10月の最終日曜日まで、サマータイムが実施されます。
英語力試験
カナダ留学に必要な英語力は、主にTOEFL iBTまたはIELTSで証明するのが一般的ですここでは各試験のご紹介をします。
TOEFL (Test of English as a Foreign Language)
TOEFL (Test of English as a Foreign Language)とは、英語を第一言語としない人を対象とした英語力テストで、英語圏の大学が留学生を受け入れる際に英語力を測る基準のひとつとして、世界的に広く利用されています。TOEFLは米国非営利教育機関であるEducation Testing Service (ETS)によって開発された国際的なテストです。今日ではTOEFL iBT (internet Based Test)が一般的なスタイルとなっており、Reading, Listening, Writing, Speakingの4セクションから構成され、各セクション30点満点、合計120点満点で採点されます。指定の試験会場にて、個別にパソコン上で実施するテストです。回答方法は選択式、記述式、論述式、ヘッドセットのマイクにスピーチを録音する方式などがあるため、パソコン操作(特にタイピング)に慣れておく必要があります。
TOEFL公式情報
IELTS (International English Language Testing System)
IELTS (アイエルツ)はイギリスで開発された英語力判断テストで、Listening、Reading、Writing、Speaking、の4セクションから構成されています。ReadingとWritingについてはアカデミックとジェネラルの2種類のモジュールがあり、留学に際してはアカデミック・モジュールの受験が必要となります。IELTSは記述式のテストで、Speakingに関しては面接官との対話形式のテストが実施されます。今日ではイギリス、アイルランド、オーストラリア、ニュージーランドはもちろん、近年ではアメリカのほとんどの大学においても出願時にIELTSが有効です。日本においては、(財)日本英語検定協会が試験の窓口となっています。
IELTS公式情報
カナダの語学留学
カナダ英語の特徴は?
カナダの英語は日本人にとって馴染みやすい英語と言えます。その理由は、日本で販売されている英語教材の音声の多くは北米(アメリカ・カナダ)の英語であることが多く、日本における英語教育の現場でも、北米の英語を耳にする機会が多くなっています。また、カナダは多国籍国家であるのに加え、フランス語も公用語です。特に東部のケベック州ではフランス語と英語のバイリンガルも多いため、さまざまな国・地域の背景を持った英語に触れることができ、英語自体のグローバル化を感じることができるでしょう。
どこで学ぶか?
私立(民間)の語学学校または、大学付属の語学コースで学びます。語学学校は授業や生活における指導・アドバイスがきめ細かく、大規模なチェーン校から、小規模でアットホームな学校まで、さまざまなタイプから選べます。大学付属のコースは大学キャンパスで学べるため、キャンパス内の施設が使えたり、現地の学生と交流したり、大学の学生団体やサークルに所属できるチャンスもあります。
出発前の英語力はどれくらい必要か?
語学学校は日本の中学校レベルの基礎を学ぶ初心者レベルから、ネイティブとビジネスでやりとりができる上級レベルまで、幅広いコースを開講しており、自分にあったレベルで学ぶことができます。学校初日に英語のプレイスメントテスト(クラス分けテスト)があり、初心者レベルから上級者レベルまで、英語力によってクラスが決定します。
どんな費用が必要か?
語学留学に必要な費用は、授業料・滞在費・食費・フライト費用・教材費・お小遣い・交通費・留学保険・諸手続き費用などが挙げられます。滞在費はホームステイや寮など滞在方法によって、フライト費用は時期によって違いが出てきます。また、国や都市によって物価が違うことから、留学先によって生活費にも差が出てきます。
1週間のスケジュールは?
語学学校では月~金曜に授業があり、Reading、Writing、Listening、Speaking、発音クリニック、ボキャブラリー養成、文法、カナダ文化など、多種多様なクラスが設けられています。学校によっては選択科目があったり、週1回午後だけフリータイムがある学校もあります。基本的に土・日曜はフリータイムで、個人で自由に過ごせますが、学校が企画する小旅行やアクティビティに参加することもできます。
一般英語のほかに何が学べるか?
語学留学には一般の語学コース以外にも、TOEICやTOEFLなどの試験対策コース、大学への進学準備コースなどがあります。また、社会人の方が留学先としてカナダを選ぶ場合は、ビジネス英語や特定の業界専門英語などのクラスもおすすめです。
滞在の種類は?
留学生の主な滞在方法には、ホームステイ、寮(学生寮・民間寮)、アパートがあります。短期の語学留学なら、1日でも早く海外での生活に慣れ、会話力も磨けるよう、ホームステイがおすすめです。長期の留学なら、はじめはホームステイにし、慣れてきたらアパートに移りシェアハウスのように生活する人もいます。
カナダの大学/大学院留学
入学に必要な学歴は?
カナダの大学(2年制/4年制)に入学する場合、高校卒業の資格が必要です。カナダの大学には日本の大学のような、いわゆる「入試」が無いため、留学生の場合は出身高校の成績と英語力が入学審査の判断材料となります。
入学に必要な学力は?
出身高校(編入の場合は大学も)の成績を提出します。いわゆる難関大学/人気大学になるほどよい成績が求められるため、英語だけでなく、他の科目でもよい成績を修めておく必要があります。カナダの場合、成績が4年制大学への入学基準に満たしていない場合でも、より入学基準が緩やかな2年制大学(コミュニティカレッジ)から編入し、最後には4年制大学を卒業する方法もあります。アメリカとカナダを比較すると、カナダの大学のほうが英語力の入学基準が高く設定されている傾向があります。
より経済的にカナダ留学をする方法は?
日本政府が実施している「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」や、留学先の大学や政府をはじめ、さまざまな団体が奨学生を募集しているので、それらをうまく活用することをおすすめします。また、日本の各自治体(都道府県、市区町村など)が提供しているものあります。そのほか、私立大学より州立大学を選んだり、都市部は避けたり、シェアハウスをしたり、夏休みにSummer Sessionを受講して卒業までの時間を短縮させたりと、留学費用を安く抑える方法はたくさんあります。
費用はどれくらいかかる?
国や都市・エリア、選んだ留学スタイル、学校によっても変わってきますが、授業料と生活費(滞在費、食費、交通費、交際費など)を留学期間中、支払えるだけの十分な資金は必要です。平均的な州立大学の留学費用は、年間250~300万円程度となり、出願時に預金残高証明書を提出することが求められます。
カナダの大学で学べる専攻は?
カナダで学べる専攻は多種多様です。自分が何に興味を持ち、何を学びたいかを考える必要があります。将来の仕事に直結した学問を選ぶか、仕事には直結しないがその学問を学ぶことで身につけた何らかのスキルが仕事に大きく結びつくこともあります。主な専攻にはビジネス、国際関係学、コミュニケーション、言語学(英語教授法)、コンピューターサイエンス、環境学、森林学、観光学、言語学、バイリンガル教育学、フランス語などがあります。