ビザとは渡航先の国から発行してもらう「入国許可証」です(厳密には入国許可証のようなもの)。
パスポートは、日本から発行してもらう「身分証明証」なので、全く役割は異なります。
アメリカの学生ビザについて
アメリカへ語学・進学留学をされる方は学生ビザ(F-1ビザまたはM-1ビザ)の取得が必要となります。ビザ申請の流れやビザ面接の注意点など、よくわからないという方も多いのでないでしょうか?
今回はアメリカ学生ビザ申請の流れや注意点についてご紹介いたします!(※2023年1月現在の最新情報)
F-1ビザとM-1ビザの違い
どちらもアメリカの学生ビザですが、アメリカ国内で学ぶ勉強内容によって、学生ビザの種類が異なります。
F-1ビザ
F-1ビザとは一般的な学生ビザで、アメリカ国内の認定大学、許可された英語プログラム等で教育を受ける場合に必要なビザです。週18時間以上のコース・プログラムを受講することが条件になります。ほとんどの留学生がコレに該当するかと思います。
学校の授業が開始される30日前から入国でき、終了後、原則60日間滞在できます(あくまで原則であり、必ずこの期間、滞在できるわけではありません)。
注意としては、授業をサボっていると学校から何度か呼び出しを受け、それでも改善されない場合、強制的に退学・学生ビザステータスを取り消されるケースがあるということです。
週18時間未満のコースで受講期間が90日未満の場合は、ビザ免除プログラム(VWP=Visa Waiver Program)が適応されるため、ビザを取得する必要はありません。
申請料は160ドルです。
M-1ビザ
M-1ビザは、アメリカの機関で非学術的・職業的な教育や研修を受けることを計画されている場合に必要です。専門学生や職業訓練生がこちらにあてはまります。
M-1ビザの場合は、途中で学びたい内容を変更することはできません。通う学校を変えることは手続さえ踏めば可能になります。
学校の授業の終了後、1年間滞在できます。申請料はこちらも160ドルです。
I-20
I-20(アイ・トウェンティー)とは、アメリカ政府から認定された学校により発行される入学許可証のことです。出願先の学校から郵送されてきますので、氏名のスペルチェック、生年月日等、誤りがないかご確認ください。
I-20にはNと9桁の数字が続くSEVIS番号が記載されており、この番号はビザ申請・SEVIS費用(350ドル)の支払いに必要ですので間違いないように入力しましょう。
※SEVISとはStudent and Exchange Visitor Information Systemの略で、アメリカ移民局が管理する「留学生及び交換留学生のデータベース」で、I-20を発行する際にはこのデータベースの使用料が発生します。
DS-160
アメリカのビザを申請する際に、すべての人が提出しなければいけないビザ申請書類のことです。大使館や領事館での面接前に必ず提出しなければなりません。基本的にオンラインで受付を行っています。
作成方法はこちらを参考にしてみてください。
ビザ申請書DS-160の作成方法
アメリカ学生ビザ申請の際に必要な書類
アメリカの学生ビザ申請に必要な書類は、以下の通りです。
- DS-160(オンライン申請書)
- パスポート(アメリカ滞在予定期間に加えて6ヶ月以上の残存有効期間があること)
- 過去10年間に発行された古いパスポート
- 6ヶ月以内に撮影した背景が白で5センチ×5センチの証明写真
- 面接予約確認書
- I-20(原本)
- SEVIS費支払い確認書(I-901)
- 本国との結びつきを証明する書類(例:財政的に証明する場合は、英文残高証明書など)
※日本国籍以外の方は、外国人登録証または在留カードのコピー(両面)と家族のパスポートが必要になります。
※詳しくはこちらのアメリカ大使館領事部ページでご確認ください。
学生ビザ申請の流れ
東京、大阪、那覇の3ヶ所と札幌、福岡の2ヶ所のビザ申請手順は少々異なりますので、アメリカ大使館のホームページにて詳細をご確認ください。それでは基本的なビザ申請の流れをご案内いたします!
- 入学したいアメリカの学校へ出願
- 同学校の手順に沿って必要書類を提出し手続きをする
- I-20(入学許可証)を学校から発行してもらう
- F-1ビザまたはM-1ビザ申請
- SEVIS費用支払い(180〜200ドル)
- DS-160の作成(オンライン)
- ビザ申請料の支払い(160ドル)
- ビザ面接を大使館・領事館に予約
- 大使館・領事館での面接(パスポートを提出する)
- ビザ取得(パスポートが返送される)
発行許可が下りれば1〜2週間でビザが手元に届きます。
2023年12月31日までの期間、日本国籍の方で、F、Mまたは一部のJビザ(中高生、大学生、教授、研究者、短期滞在学者、専門家に限る)を初めて申請または更新する場合、以下の条件を満たしていれば、面接を受けずに郵送でビザを申請することができます。
- 日本国籍を有する
- 日本に滞在している
- F、Mまたは一部のJビザ(中高生、大学生、教授、研究者、短期滞在学者、専門家に限る)を申請する
- 日本、米国、またはその他の国で逮捕されたことがない
- 次のいずれかの条件を満たしている:
- 過去にESTA(電子渡航認証システム)を利用してビザ免除プログラムで渡米したことがあり、ESTA申請が却下されたことがない。
- ビザの種類に関わらず、14歳以降に米国ビザを発行されたことがある。
その他注意点
他にも以下の様な注意点がありますので、申請前に確認しておきましょう。
ビザ申請を開始するタイミング
いつビザ申請をしても大丈夫ですが、ビザの発給が遅れたり、追加資料の提出が必要な場合もあります。そのため、出願先の学校からI-20が届いたら、ビザ申請準備を始めるようお勧めいたします。また、I-20に記載されたプログラム開始日の120日以上前には発給されませんので注意が必要です。
ビザが下りたらいつアメリカ行ってもいいの?
ビザが発行された時期に限らず、I-20に記載されたプログラム・コース開始日の30日前からアメリカに入国することができます。I-20は入国に必要な書類ですので、必ず手荷物に入れてご持参ください。
いつまでアメリカに滞在できる?
受講したプログラムが終了してもすぐに帰国しなくてはならない!というわけではありません。F-1ビザで入国された方ですとI-20に記載されているプログラム・コース終了日から帰国まで猶予期間、グレイスピリオドが与えらえます。
原則60日間となっていますが、留学先の学校によりルールが異なりますので、事前にご確認ください。
M-1ビザの方は1年間、またはI-20記載のプログラム・コース終了日から30日間のいずれか短い期間、滞在が可能となります。
F-1ビザの学生はアメリカ国内で働ける?
F-1ビザの学生はアメリカ国内での就業が認められていません。但し、次の条件を満たしていれば学校内での就業が可能です。
- F-1ビザを保有している全日制の学生であること
- 就業時間が週20時間を越えないこと
- 校内の雇用であること。
また卒業後、一定の期間ですがOPTとしてアメリカの企業で研修を受けることができます。OPTは9ヶ月以上のCertificate受講が必須です。
ビザ面接の注意点
ビザ申請に必要な書類やビザ面接は全て英語で行われます。わからないことはわからないまま返答せず、「わからないのでもう一度言ってください」と伝えましょう。アメリカ学生ビザは本国に戻ることを前提に発給されています。あくまで一時的・特定の期間、滞在を許可するというものです。
面接時に「アメリカで働きたい」「アメリカに住みたい」など将来的な希望や現在確定していないこと、学業以外で長期滞在を目的とする発言は絶対にしてはいけません。
代理店に注意
最近「他の代理店の方からアメリカに入国後、他の学校に通えばいいよと言われた」など驚く話を耳にすることがあります。大使館・領事館の判断に基づき、ビザが発給されますので代理店や他の業者に「ビザが必ず下りる」という確定ができません。
尚、アメリカ入国後に学校を変更するには、I-20を発行してもらった学校に転校・転学手続きをしていただく必要があります。5カ月を超える期間アメリカを離れない限り、新しいビザを取得する必要はありません。
但し、手続きをしないまま他の学校に通うと違法行為にあたります。必ず学校に確認し転校・転学手続きをしましょう。
まとめ
アメリカ学生ビザに関しての基本的な流れやよくある質問、注意点をご紹介させていただきました。
個人の経歴や状況によって多少例外はあるかと思いますが、アメリカのビザに関して質問や疑問がありましたら、アメリカ大使館に確認することをお勧めします。これからビザ申請をされる方々の参考になれば嬉しいです!