私は学生時代に通っていた大学の交換留学制度に応募して、アメリカ東海岸の州立大学へ1年間国費留学をした経験があります。
アメリカ留学当時、日本人留学生が発砲を受けて亡くなった事件を受けて、アメリカは危ない国という印象が強かった頃です。
家族は心配のあまり反対しましたが、私はこんなチャンスは2度とないから行かせてほしいと説得を続け、初めての海外へ旅立ったのでした。
アメリカの大学での留学生活は瞬く間で、特に講義についていくのが大変でした。
反省点もふまえて、アメリカの大学への進学や休学・認定留学を考えているあなたにアドバイスしたいポイントを2点、紹介させてください。
アメリカをはじめとする海外大学留学では意見をはっきり伝えること
英語は言語、コミュニケーションツールでしかありません。
英会話に自信がないから、寡黙になってしまうもったいない癖は日本人の特徴だなとアメリカの大学で学んでいる間に強く感じました。
私が通った大学はアメリカでも東海岸だったためか日本人留学生はほんの数人でした。
学期のスタート前に留学生を集めた英語力テストがあり、私はなんとか通過できましたが、他の国からの留学生たちと交流したくて短期英会話講座にも参加しました。
その講座で感じたのは、ロシア、台湾、中国、韓国、インド、中東の国々など、どの国の留学生も、発音や文法ミスなどまったく気にせずに、堂々と発言することです。
講義の教授陣もネイティブスピーカーだけではなく、ラテンアメリカやヨーロッパの他言語の国出身の人もいました。
それぞれの母語を土台としたアクセントで話すため、聞き取りに苦労しながらも、堂々と話すことに感心したものです。
私は学部生だったため講義の選択肢は幅広く、周囲の日本人留学生が数学やアート等、容易に単位取得できるクラスを選ぶ中で、「最初で最後のチャンス。ここでしか学べないことを学びたい」という気持ちが強かった私はアフロアメリカンの歴史、ラテンアメリカ系移民の現状、ラテン語等、関心のある分野をどんどん受講しました。
どのクラスでも日本人は私1人。
挙手をして発言をするたび周囲が一斉にこちらを向くので、慣れるまでは気後れしました。
それでも発言を受けた教授のコメントやクラスメイトの意見を聞いているうちに難しい内容もよく分かるようになり、勇気を持って話すすることに意味があるんだな、と感じました。
流暢な英会話ができないと思っている方も、しり込みしなくて大丈夫です。
- 自分の意見をしっかり持つ
- 意見を相手に伝える
- 相手に関心を持つ。笑顔で「hello!」
これらを心に留めて、講義でも発信し続けましょう。会話力は、後からついてきます。
課題の多さは半端なし、教授やクラスメイトと乗り切ろう
アメリカの大学は入学するのはたやすいが、卒業するのは難しい。
高校時代、そのような話を聞いたことがありましたが、実際に留学してそれを実感しました。
次の講義までに出される課題の多さが、半端ないのです。
- 教科書や指定の本の数十ページから100ページ程度を読み、意見をまとめておく。
- 講義内容を踏まえ、指定のテーマに基づき、数枚から20枚程度のレポートを書いてくる。
とにかく、読んで書いての繰り返しでした。
アナログだった当時は指定の本は図書館にあり、次々に学生たちが借りては返す仕組みでした。
私は読むのに時間がかかるためクラスメイトに申し訳ないので、本をコピーして一生懸命読んだものです。
レポートは寮の中に「Lab」と呼ばれるパソコンルームがあり、夜中まで一心不乱に取り組みました。
反省する点は多々あります。
本の内容をよく理解できないまま、1人で抱え込んでレポートを書いた結果、辛口のコメントをもらったことがありました。
またラテン語は複雑多様で、現地学生もドロップアウトしたくらいでした。
毎回のテストで私は変化形が覚えられず×ばかり。
見かねた教授が「一緒に復習しないか」と声をかけてくれたのに、情けないプライドが邪魔をして断ってしまったのでした。
一方で上手くいった例もあります。
担当教授の人柄が好きでよく質問に行っていたところ、気にかけてくれてそっと参考記事のコピーを渡してくれたり、グループ別で題材を決めて発表する際には仲良くなった女の子と同じグループに入って一緒に勉強することもありました。
また教育学の講義では、日本について工夫を凝らしてプレゼンテーションしたところ、盛り上がって拍手喝采。
クラス全員が、うれしいコメントを寄せてくれ、講義を受けやすくなったこともありました。
アメリカ大学留学体験談、まとめ
アメリカの大学の講義はハードですが、基本は発信する勇気、これが私の得た教訓です。
自分から話しかけて友人を作り、困ったら周囲に助けを求めましょう。きっと実りの多い大学生活になりますよ。