初めまして、まつ子です。ドイツの古い絵について研究したい!ということで、ドイツの古都トリーアに留学してきました!
ドイツ最古の町トリーア
この町がドイツ最古の町と呼ばれるのは、古代ローマ時代にアルプスより北で最初に建設された町だからで、その美しさから第二のローマとさえ呼ばれました。町のあちこちにローマの遺跡が残っていて、当時の栄華を偲ばせます。今はルクセンブルクとの国境に近い静かな小都市ですが、休日にはやはりたくさんの観光客がドイツ内外から訪れます。
気候も穏やかで、特に私が到着した9月は日が長く過ごしやすい日が多かったです。真冬でもドイツの中では暖かい方で、寒くても-10℃ぐらいでした。
そして忘れてはならないのがワイン!トリーアの町を流れるモーゼル川一帯はドイツ有数のワイン産地。ドイツといえばビール?いえ、ワインなんです!モーゼルワインの主流は「リースリング」という品種からできる白ワイン。もちろん、20歳を過ぎてから。
大学の環境
トリーア大学はトリーアの町の東にある丘の上にあります。また、大学の建物は最近できたものです。そのため、例えばハイデルベルク大学のように、歴史ある建造物とドイツの美しい街並みに囲まれて勉強したいという人には向いていません。
反面、建物は清潔で計画的だし、図書館は0:00まで開いているので、がっつり勉強したい!という人には最高の環境です。また、町に出るのにも学生証があればバスがタダなので心配はありません。ちなみに近郊へ向かう電車もタダ!
そして何よりも、この大学には日本学Japanologieの学部があり、日本語がわかる学生がたくさんいます。彼らは皆日本人の留学生と友達になったりおしゃべりしたいと思っています。もちろん、基本的には自分でなんとかする姿勢は大事ですが、困った時に相談できる相手がいるのは心強いですよね。
それにドイツ留学を考えている人ならきっと耳にしたことのある「タンデム(ランゲージ・エクスチェンジ)」のパートナーも、ここではすぐに見つかるでしょう。タンデムは相手とお互いの言語を学び合うのが普通ですが、日本学のない大学だと日本語の需要が少なくてなかなかパートナーが見つからないということも。でも私は学期が始まってすぐに2人パートナーが見つかり、会話能力が飛躍的に向上しました。彼らは今でも大切な友人です。
留学生を受け入れ慣れている留学生課のスタッフは皆とても親切です。私は交換留学ではなかったので住居を見つけるのに苦労ましたが、問い合わせるとすぐに寮に空きを見つけてくれて助かりました。
トリーア大学での過ごし方
私は短期学生Kurzzeit studierendeとして入学しましたが、大学の教務システムへのログイン権限も与えられてどんな授業でも取ることができました。
そこで、自分の専門の授業を週に5コマ、それ以外にも歴史学と地理学を1コマずつとり、あとは自由に研究の時間に充てることにしました。単位も取得しようと思えばできたんですが、私の場合日本の大学での単位が足りていたのと、単位よりは調査研究が主目的だったので、試験は全て放棄しました。
また、正規の授業の後には語学の授業も取りました。いわゆるDAF(Deutsch als Fremdsprache)というやつですね。最初に筆記とリスニングの試験を受けてクラス分けされます。
ちなみに私はB2クラスでしたが、自分の国の紹介をしたり、トリーアの町について調べ学習をして発表をしたり、けっこう課題が多かったので大変でした。そこでもたくさん友達ができましたよ!特にイタリア人のピエトロと中国人のウェイシャンとはいつも近況を報告しあってます。
もう一つ重要だったのは上にも書いたタンデムです。2人の相手と週に1回ずつ2時間、合計週4時間のタンデムをしていました。場所は大学の中のカフェテリアが多かったですね。
タンデムというのをここで改めて説明すると、自分の母語を教えあうものです。時間を決めてこの1時間はドイツ語、次の1時間は日本語で会話し、わからないところや間違ったところを教えるのがメジャーなやり方です。
留学を終えて
新たな自分を発見!
留学以前は引っ込み思案で根暗だった私ですが、帰ってきてお付き合いしている彼から言われたことは「(いい意味でも悪い意味でも)強くなった」でした。
欧米人は自己主張が強いなんて言いますが、本当に主張しないとやっていけないんです!電車の予約シートに知らない人が座ってた、すれ違いざまいきなり罵倒された…嫌なこともたくさんありました。
「ここは私が予約してるのよ、車掌さんを呼んで確認してもらおうか?」「今何を言ったの!?私あなたに何もしてないよ!」などなど、抗議と主張をだんだんできるようになっていったんです。留学がなければこういう風にちゃんと言うべきことを言えないまま社会に出てたのじゃないかと思います。
ドイツ語力アップ!
これは留学当初あまり重視していなかったのですが、それでも相当話せるようになりました。特に留学前は文章のドイツ語ばかりに触れていたので、口語としてのドイツ語に日常的に接することができたのは大きかったです。
しかし難しいのはリスニング。自分の知らない単語も相手はポンポン口にするわけですから、たまについていけなくなることがあるんですよね。帰国後も毎日勉強することが重要だと時間する日々です。
大事な友人たち
上に書いた現地人の友人は文化も言葉も様々に違いますが、それらの違いについて何度も何度も話し合うのはとても勉強になり、かつ楽しい体験でした。内容は政治の問題からトイレの使い方まで様々でしたが、いつも発見と驚き、そして笑いがありました。
また、留学生仲間の日本人との思い出も宝物です。現地人の友人とも混ぜこぜで、フランクフルトやフランスにまで一緒に旅行しました。日本に帰国した後も会えますしね。
よく語学能力向上のため他の日本人を無視する人もいますが、それはもったいないと思います。留学という特殊な環境を共有した相手とは一生の友達になれますから。目先の利益にとらわれず、国籍問わず誰とでも仲良くするというのが真の国際感覚を養う方法ではないでしょうか。
まとめ
ドイツへの留学を考えている人にとってトリーア大学は穴場だと思います。立地は便利とはいえませんが、町は歴史があるけれども大きすぎず静かで、丘の間を走るモーゼル川の風景はとても美しいです。大学は集中出来る環境が整っており、留学生課も親切です。訛りも少なく、ドイツ語を学ぶのにも適していると思います。
ぜひ、ドイツ留学の検討リストにトリーア大学も入れてみてください。