世界の大学ランキングって留学でどれぐらい参考になるの？実は全く意味が無い？

海外留学の中でも、留学先として海外の大学への進学を考える時、その学校がどういう学校なのかは気になります。たくさんの大学を比較しようとした時に、ひとつの指標として「世界大学ランキング」を参考にするかと思います。まあ人は評価やランキングが好きですからね。

一番有名なのはイギリスのTimes誌が毎年発表している「Times Higher Education World University Rankings」です。次によく見かけるのは、イギリスの大学評価機関である「クアクアレリ・シモンズ社」が発表している「QS World University Rankings」です。

海外大学同様、国内大学のランキングなども各団体がいろいろと出していたりするのですが、それって一体どういう基準でランキング化されているんでしょうか？筆者もこの事について特に深く考えたことはありませんでした。正直なところ「へぇ〜そうなんだ」ぐらいなもので疑問に思ったことすらありませんでした。

2016年8月20日放送の「池上彰のニュースそうだったのか!!　3時間スペシャル」で、日本の教育についてのテーマの中で、少しだけこの世界大学ランキングについて触れられていたのですが、その内容がなかなか衝撃でした。

「大学ランキングは学力は関係ない」

それまで考えもしなかったことでした。その後、少し調べてみるとちょこっと検索しただけで出てくる出てくる「世界大学ランキングなんか意味もない」の文字。深く読み進めていくと、どうも一理あるようです。

世界大学ランキングの4つの基準

まず「ニュースそうだったのか」の中では世界大学ランキングの4つの基準が挙げられていました。

外国人の比率が多いかどうか
これは、生徒の中の外国人比率が高いと国際化が進んでいるという評価を受けランキングが上がるということだそうです。

論文の引用数が多いかどうか
所属する教授の論文がどのぐらい他の学者や教育関係者に引用されているかがランキングに影響します。日本の大学は日本語で書かれていることが多いため、世界ランキングにも影響するようです。

教員と学生の比率
こちらは詳しくは触れられていませんでしたが、教員と学生のバランスが悪いと、高等教育が隅々まで行き渡らないというようなことでしょう。多分。

企業などからの研究費収入
これは文字通り、学生以外からどの程度の収益があるかという指標でしょう。協力費が多いと様々なことをブラッシュアップできるので、学生が学ぶ環境も研究も進みます。

もちろんすべてのランキングが、これだけの基準でランキングを出しているわけではないとは思うのですが、これらの判断基準はまさしく「大学側の事情」だということです。決して学生目線でのランキングではありません。

では、なぜこのようなランキングが存在するのでしょうか？しかもかなりの数があります。Wikipediaでも実に15個のランキングがリストされています。こんなに何種類もランキングがはたして必要なのでしょうか？

カラクリはこうです。

仮想市場を作り出して内輪の投資を活性化させる

大学も商売です。資金調達しなければなりません。調達先はもちろん学生でもありますし、親しい教育機関や企業、政府などです。ランキング上位の大学には補助金を出している国もあるほどです。

学生ではない誰かのために、高等教育の比較と評価を明確に目に見える形に指標化し、仮想的な「質」を作り出しています。そして学生にとっては特に意味もない猛烈な競争を生み出して、お金を動かしています。

留学を目指す人達にはまるで関係ない

と、いうような記事をネットでたくさん見かけました。たしかにそういう面はあるかもしれませんが、でもそれって留学を考えてる学生にとっては、まあまあ参考になるんじゃないの？って思ったわけです。

お金持ちの大人が情報に踊らされてマネーゲームやって…いうのは、まあ勝手にやっててもらってれば良いんですが、ランキング上位ということは「生徒数も多く、国際色も豊かで、優秀な教授もいて、先生不足もなく、施設や研究費も充実」…

って割といいんじゃないですか？筆者はそう思ってしまいました。

さらにいうと「世界ランキングは意味が無い」ということは「ランキングになくても優れた学校はある」ということです。日本以外の国には「偏差値」という概念がないので、公平性や客観性が薄いようにも思うのですが、全く無視するほどのポンコツ指標というわけでもないのでは？というのが筆者の考えです。

そんなことよりも、ランキングに関係なくやりたいことができる大学、あるいは行きたいと思える魅力のある大学をしっかりご自分で調べて比較する作業をしましょう。ランキング上位の大学はもちろん結構良いんだけども、別にそこまで気にしなくていいということです。

最速！世界大学ランキング

参考までに日本時間で2016年9月22日午前5時に発表された「THE世界大学ランキング」の超速報を以下に掲載します。