私がフィリピンのセブ島で海外留学しようと決意したのは33歳の時でした。
当事、自身で居酒屋を経営、順調に営業して3年が経過していたのですが、手首を骨折してしまい2週間ほどの休業を余儀なくされました。
居酒屋店主が突然店を畳んで海外留学
その時、自分の身体一つで仕事をしていくことの限界を感じて、何か違うことで生計を立てようと、新たに資格を取ることや、違った分野を勉強することを考えなければと思っていた時に、仲の良いお客様から、セブ島での英語留学の話を聞きました。
英語学習は以前から興味があり、自己流で勉強はしていましたが、留学と言うと、学生もしくは20代前半の若い人が行くものという先入観があったので、自分が行くという発想はありませんでした。
ですが、そのお客様が留学したのは40歳になってからだという話を聞き、「やりたい気持ちがあれば年齢関係なく挑戦して良いんだ」と、気持ちが楽になり私も思いきって行ってみようと決意しました。
いい大人なので、家族の反対などはありませんでしたが、お店のお客様達からは、「この店が無くなってしまったらどこへ飲みに行けば良いんだ」と散々嘆かれました。
何の知識もなかったセブ島だったけど、留学するメリットがいっぱい
早速セブ島留学を検索してみると、さまざまな特色の語学学校があり、セブ島はおろか、フィリピンについての知識がなにもなかった私には驚くことばかりでした。
セブ島留学のオススメポイントは大きく三つです。
セブ島留学のオススメポイント1
一つは、費用が欧米など他の英語圏に比べてグッと安く3分の1程度に抑えられること。
費用が安いということはその分、長く滞在できるので英語初心者で、できるだけ長期間での留学を希望していた私にとっては非常にありがたいことでした。
また、セブ島のほとんどの語学学校は学生寮を併設しており、食事も3食提供しているところが多いので、住居、食事の心配がなく、思う存分英語学習に集中出来ます。
セブ島留学のオススメポイント2
二つ目は講師とマンツーマンレッスンが主流ということ。
日本人が英語のスピーキングが苦手な理由は、間違っていたら恥ずかしいし格好悪いという思いが強く、グループレッスンのような大人数での場では積極的に発言できないといったことが挙げられます。その点、マンツーマンレッスンでは、わからないことは講師にその都度何度も聞く事ができて、自分のペースで授業を進められるので、グループレッスンの何倍も早く英語を習得できます。
セブ島留学のオススメポイント3
三つ目は環境です。セブ島は綺麗な海に囲まれた島なので、授業が休みの週末などはシュノーケリング、ダイビングなどのマリンアクティビティーに気軽に参加することが出来ます。
私は海が大好きなので、迷わずセブ島に留学を決めたのはそこが一番大きなポイントでした。
初めてのセブ島で初日からトラブル
語学学校はたくさんあってかなり迷いましたが、私はお客様の通っていた学校が、費用も安く、授業内容も私が望んでいたものだったのでそこに半年間通うことを決めました。
学校を選び、支払い、チケットの手配が済み、いよいよ出発となりました。
海外旅行は慣れていた私ですが、フィリピンの渡航は初めてなので緊張しました。ですが、出発前にセブの青い海と綺麗なビーチの写真をたくさん見ていたので緊張以上に新生活への期待が大きかったです。
そんな期待だらけのセブ島で早速トラブルが発生しました。
学校のインターンスタッフが空港に迎えに着てくれている予定だったのですが、どこを見回しても見当たりません。他の学校の生徒が、次々にスタッフと合流し去っていく中、最後に私だけが取り残されてしまい、更に深夜ということもあり不安で心細く「セブ島に歓迎されてないのかな」と悲観的になってしまいました。
とりあえず学校に電話をかけてみたのですが、何度もコールした挙げ句に電話に出たのが、英語が苦手なフィリピン人のセキュリティスタッフでした。私の英語もつたないし、彼の英語もめちゃくちゃなこともあり、何度も「私は新入生で、空港にいる。日本人スタッフと話したい」と言っているのに伝わらず、諦めかけていたらやっと日本人と代わって貰えて、泣きたくなるほど安心しました。
結局、到着から3時間後、学校マネジャーが迎えに着てくれたのですが、私の空港お迎え予定だったスタッフは当日風邪を引いてしまい空港お迎えを他のスタッフに引き継ぐ事なく寝込んでしまっていたとの事でした。
海外ではトラブルは付き物だから、何があってもどっしり構えて頑張ろうと初日から気合の入る出来事でした。
年下ばかりの同期生たちと陽気な先生たち
到着翌日は早速入学式がありました。私のバッチメイト(同じ時期に入学した仲間)は全部で10人。日本人が8人、台湾人が2人でした。レベルチェックテストを終えて、お互いの自己紹介となりました。みんな私より若く、最年少の18歳の子とは15歳も離れていたのですが、それでも同期の仲間というのが学生時代を思い出し嬉しくなりました。
バッチメイトとは放課後飲みに行ったり、週末ズンバをしたり、海や観光地に行ったりと、年齢関係なく付き合える良い友達になれました。今でもその子達とはこまめに連絡を取り合ったり家に遊びに行ったりするほどです。
先生はフレンドリーで親日家が多く、授業が終わった休み時間でもおしゃべりに夢中になってしまうくらい楽しかったです。
英語を通じて、異国の文化を知ることが出来たのも自分の視野が広がり、すごく良い経験となりました。
特にフィリピン人はキリスト教徒が大半で、普段神様の存在なんて考えもしない私にとっては先生たちから信仰についての話を聞くことは新鮮でした。
食文化も日本とはかなり違います。主食がお米ということは同じですが、彼らは本当にご飯が大好きというか、ご飯を食べなければ食事した気にならない、というくらい必ずご飯を食べます。多くのレストランはご飯のおかわり無制限を設けているほどです。
先生の誕生日会をしようと、仲の良い先生たちを誘い、イタリアンレストランに入った時のことです。先生たちはメニューを見て、こそこそ話し合い、そわそわ落ち着きません。メニューに問題があるのか訊ねたところ、「ここはご飯がないからお店を変えたい」とのことでした。
日本人の感覚としては、朝も昼もご飯を食べたんだから1食くらいパスタやピザでも良いのではと思ってしまいますが彼らは大好きなご飯がないとダメだったようです。
肝心の授業の質はどうか?
フィリピンで英語を勉強していたというと
「フィリピン人って英語話せるの?」
と驚かれることがありますが、フィリピンは世界第3位の英語公用国で、特に英語の先生たちは厳しい試験に合格した人たちばかりなので文法も正しく、綺麗な英語を話します。
訛り指摘する声もありますが、じゃあ訛りのない英語ってなに?と思ってしまいます。私はイギリス人、アメリカ人、カナダ人、オーストラリア人とも話したことがありますが、どの国の英語にも違いがあり、アクセントもバラバラです。それはもう何人だからというよりは個人の個性なのだなと考えています。
フィリピン人は英語がネイティブでないのでたとえ先生であっても日々英語の勉強をしているという人がたくさんいます。また、私が通っていた語学学校でも先生の質の向上のためTOEICの模擬試験を月に1度実施していました。
そんな話を聞いたら私も勉強しないわけにはいきません。勉強でモチベーションが下がった時でも、先生たちや寮で同室の子達も夜中まで頑張っているのだからと自分を奮い立たせる事が出来ました。
半年間の留学期間が終了
仲の良かった友達が卒業してみんな帰ってしまった中、ようやく私も半年間の留学生活が終了して卒業を迎えました。
セブ島留学では1週間や1ヶ月といった短期留学の生徒もたくさんいるので、半年間も居た私は結果、英語力は渡航前に比べて格段に伸びましたが、その学校で知らない人がいない主のような存在になってしまいました。
ですがその分、先生たちはもちろん、学校のスタッフの人たち、オーナーにまで仲良くしていただき、セブ島で学校経営する苦労、喜びなどを伺う機会もありました。
そんなお話を聞いていると留学が終わったら帰国して就職活動するよりセブで働くのもありなのではと考えるようになり、結局、語学学校で就職することに決めました。
人生が変わった出来事とは
就職後も英語力向上ため、英語で話す機会を作ろうとSNSやアプリなどでいろいろな国籍の英語スピーカーと積極的にコミュニケーションを取るようになりました。
そこで知り合った人と知り合って1年、ついに結婚することになりました。留学を決めた時はこんな事になるとは全く想像も出来なかったのですが、彼は私が英語を話せなかったら付き合ってなかったと言っていたので、頑張って勉強して良かったなと思っています。
セブ島留学まとめ
私はセブ島留学の結果、英語力の向上だけでなく自分の視野が広がり、外国人と日本人の文化の違いなども深く考え、受け入れられるようになりました。
社会人でもセブ島留学を通して、海外就職を決意した人、日本では浮かばなかったアイディアから起業した人をたくさん知っています。
もし、留学を考えているけれど迷ってるという人がいたら、短期でも良いので体験して欲しいです。日本での生活に悩みや迷いのある人にとってはきっと何か気付きのあるのもになると思います。