私は東京で生まれた在日韓国人です。学校でも家でも韓国語を使う機会は、ほとんどありませんでしたが、日本の高校を卒業後、自分の国である韓国へ母国留学しました。
外国へ留学する一般的な学生とは事情がだいぶ異なったかもしれません。しかし、一度も住んだことのない韓国がどのような国なのか、直接見て感じたいという思いからソウルにある語学学校へ一年、その後四年制の大学に入学しました。
ここでは、私が実際に体験した「韓国留学」についてご紹介したいと思います。
韓国留学体験
私の場合、韓国籍だったためビザを取得する必要はありませんでした。留学前に準備したものは、洋服や生活品といった身の回りの物のみです。語学学校の寮に入ったため、備え付けの家具も食堂もあったため最初から不自由なく暮らすことができました。
持って行って重宝した物は、日本の薬と生理用品でしょうか。韓国の薬は、日本に比べ強く効くため、風邪薬や胃腸薬・頭痛薬などは持って行くことをおすすめします。また、女性ならではですが生理用品も日本製のほうが優れているため、私は帰国するたびに大量に持って行きました。
食事に関しては、韓国料理というと皆さん辛い食べ物を思い浮かべると思います。日本と比べ確かに辛い食べ物が多いのですが、メニューが読めるようになると辛くない食べ物もたくさんあることが分かってきます。
また、日本食ブームもあり、とんかつ・ラーメン・うどんなどが手軽に食べれるお店も数多く、食事に関して困ったことは一度もありませんでした。
一年間通った語学学校では、主に韓国語の勉強と韓国の歴史・文化について学びました。クラスは語学レベルごとに7クラスありました。南米から来た学生たちと学校の庭でシュラスコを食べたことが思い出深いです。海外から来た学生たちと、寮でテレビを見たり、食事をしたりと韓国以外の文化にも触れることができました。
韓国では、大学修学能力試験(日本の大学入試)が毎年11月に行われます。私は一般枠ではなく、帰国子女枠での試験でしたが、合格発表が出るまでドキドキしたのを覚えています。
大学に入学してからは大学の近くで下宿(ハスク)をしました。女性専用の新しくきれいな下宿だったのですが、主人のおばさんがあまりにでもケチでした。
朝食は朝の8時まで、夕飯は夜7時までに食べないと食べさせてもらえません。電気代がかかるので部屋の電気を一本はずされ、シャワーは週に3回までと、今思い出してもひどい下宿でした(笑)。
結局、おばさんとケンカをして、三ヶ月で下宿を飛び出てしまいました。その後は、近くのワンルームを借り一人暮らしを始めました。
語学学校を卒業したとはいえ、やはり大学の講義となると話の内容も難しく理解するまでは苦労しました。日常の簡単な会話は理解できても、それだけでは講義内容にはまったくついていけません。
日本から来て韓国語が得意ではないことを周りの学生に伝え、ノートを見せてもらい、どんな課題が出ていつまでに提出するのか教えてもらいながら、必死についていきました。中間・期末試験の前には、図書館で友達と徹夜で勉強しました。
大学二年生になる頃には、韓国語がだいぶ上達したことを自分でも実感できました。講義の内容もだいたい理解できるようになり、友達との韓国語での会話も苦ではなくなっていきました。韓国語で夢を見たときは、ついにここまで私も来たんだな〜と嬉しく感じたことを思い出します。
韓国留学体験まとめ
10代で親元を離れ、初めての一人暮らしをした韓国での留学生活は、辛いこともたくさんありました。最初は、韓国人との価値観の違いや戸惑う部分も多くありましたが、今振り返ってみると、たくさんの友達と出会え、日本にいたら経験できなかった貴重な時間を過ごせたと思っています。
留学に迷っている方は、ぜひ海外に出てたくさん学び、様々な経験をしてみて欲しいと思います。きっと、人生で忘れられない貴重な時間となりますよ。