海外からの訪問観光客が増えたおかげで日本でもホスピタリティという言葉が浸透してきました。
旅館やホテルなどの宿泊やそれらの手配をする旅行などはホスピタリティ業と呼ばれますが、日本ではサービス業とも呼ばれています。
この2つの言葉、ホスピタリティとサービスは似ていますが意味は異なります。
将来、ホスピタリティ業界で活躍することを希望しているあなたへ、この2つの違いを紹介していきますね。
ホスピタリティとサービスは何がどう違う？
最初に結論を言えば、ホスピタリティは自主的かつ利他的な行動、サービスは報酬に対する労働、という大きな違いがあります。
何かの対価、多くはお金ということになりますが、それに対して提供する行動はサービスと呼ばれるものであり、たとえばレストランなら給仕係のサービスなどは分かり良い例と言えますね。
日本ではあまり見かけない週間ですが、チップ、というものは給仕係のサービスが素晴らしいことに対する対価です。
一方、給仕係がサービスする顧客の満足度を高めたい、そのために色々と考え、顧客について観察し、求めるものを求められる前に提供できるように考えること、これはホスピタリティとなります。
サービス業で働く場合にホスピタリティを身に着けるメリット
もしあなたが将来、レストランをはじめ、ホテルや旅館、旅行業などの日本でサービス業と呼ばれる業種を目指す場合、もしホスピタリティを身に着けているとどのようなメリットがあるのでしょうか。
一流のホテルマンを目指す場合、会社で決められたサービスの基本を守って宿泊客に求められたものを提供することは、いわば当たり前のことですよね。
ですが、もしホスピタリティを学び、利他的に考え、行動する力があるとどうなるか。
あなたが顧客の立場に立って考えるとよくわかります。
Aというホテルでサービスをしっかり守っていれば、宿泊後に満足することは間違いありません。
ですが、Bというホテルの従業員がホスピタリティを身に着け、あなたが何かひとつ行動を起こそうとする前に、提案をしてくれるならきっと満足以上に感動を覚えることでしょう。
海外と日本の違い、おもてなしの心について
海外からの観光客が日本のホテルや旅館に宿泊して、おもてなしの心に感動するという話、これはまさに日本ならではのホスピタリティで、海外からわざわざ来てくれた顧客に出来る限りのことをしてあげたい、日本の文化に触れてもらえるよう色んな事を準備してくれるためです。
なぜ日本のおもてなしの心が海外で評価が高いのか、それは海外の一般的なホテルではそこまで質の高いホスピタリティマインドを持つ従業員がいないため。
ですが、4つ星・5つ星ホテルになれば話は別です。
いわゆる世界の一流ホテルで働く従業員の多くは質の高いホスピタリティ教育を受けているため、宿泊客の期待値を大きく上回り、滞在中に印象深い思い出が出来たり、感動をすることになります。
ひとつ、具体的な例を挙げてみます。
とあるホテルにあなたが宿泊したとします。
ビジネスで何度か利用するホテルでチェックインをする際、フロントスタッフがあなたの顔を見るなり名前を呼んでくれたら、どう感じますか？
一般的には名前が分からないので質問されて答えるか、パスポートなどを渡して名前を確認しますが、伝えた覚えのない名前で対応してもらえることは、ある種の特別扱いなわけですから、嬉しいものですよね。
簡単なことではないかもしれませんが、できるだけ顧客の顔と名前を覚えること、これはサービスではなくホスピタリティマインド、相手が喜ぶことを自己的に行うもの、です。
お金のために提供するサービスと、顧客のことを本当に考え、次に何を求めていて、どういうことを提供すると喜んでもらえるかを深く考えるホスピタリティマインドに基づく行動では天と地ほどの差があるといっても過言ではありません。
AIの技術が進んでもホスピタリティに関する業界は残る
進歩を続けるAIはこれから未来に向かって人間の仕事を少しずつ、着実に奪っていくと言われています。
決められたことを効率よく処理でき、人件費という企業にとって大きな負担となる費用が削減できるのであれば、人間による作業・業務は必要ありません。
ですが、ホスピタリティという人が人のために何かを考え行動することはコンピューター技術がいくら進んでもとって代わることができないものです。
人と触れ、人と関わる仕事がしたいと思うあなたにとって、ホスピタリティを学ぶことは非常に価値のあるものと言えます。
ホスピタリティとサービスの違い、まとめ
自主的に誰かのために行動をするホスピタリティはいわゆるサービス業で働く場合に非常に大きな付加価値を与えてくれます。
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