私が留学したのは20年近く前のことなので、現在の状況とは多少差があるかもしれません。ただ、現在も世界的に有名な宝石鑑定士の資格、GIA(米国宝石学会)が認定しているGG(Graduate Gemologist、日本語では「宝石学修了者」と呼ばれているそうです)を取得するコースが約6か月なので、ほとんど同じように勉強されていると思います。
それで、ニューヨーク校で是非ともGGの資格を取りたいと思われる方のご参考のために、ニューヨーク校での留学体験談を書かせていただきました。少しでもお役に立てば、幸いです。
そもそもGIAとは何を教える学校?
私は代々、神戸で宝石輸出入卸販売業を営む家に生まれました。場所柄外国人貿易商なども多く、家にもよく外国人バイヤーなどが夕食を食べに来ていました。ですから家でも英語が話されることが多々あり、自分でもいつの間にか英語が少し話せるようになっていました。というよりも、英語を話す度胸がついていたのです。
中学生のころから、大学を出て少し家業を習ったら、マンハッタンのど真ん中にあるという宝石の専門学校、GIA(米国宝石学会)に行くつもりでした。そこでは、半年かけて宝石学の基礎知識、ダイヤモンドの鑑定の仕方と色石の鑑別の仕方について学びます。
宝石留学最初の2か月半は、大変でした!
学校の初日は、オリエンテーションでした。クラスメートは、アメリカ人が8名で留学生もアジアから6人(そのうち日本人が2人、香港と台湾から1人ずつ、タイから1人、インドから1人)、中米と南米から3人、そしてヨーロッパから2人いました。
しかし、初日に渡されたテキストの量の多いことに驚かされました。そして、授業が始まると大変なことになりました。とにかく、前日に読んでおくべきテキストの量が膨大なのです。
大学時代から英英辞典を使っていましたので、英文を読むのは早い方でしたが、それでも、それからの2か月は、週末は授業がないので、金曜と土曜の夜だけは6時間は眠れましたが、日曜から木曜まで睡眠時間4時間の生活が始まります。
宝石学の基礎知識を学ぶテキストには鉱物学の専門用語、鉱物や岩石の種類などの名前が多数出てきます。その都度英英辞典を引いて意味を確認しますが、何度か引くうちに英文の定義が頭の中に入ります。これを繰り返していくと、辞書など引くことなくどんどんテキストを読み進めるようになるのです。
意外とスムースに学べたダイヤモンドの鑑定と色石の鑑別実習!
実習のダイヤモンドの鑑定と色石の鑑別は、器具の使い方、グレードや識別の仕方などを少しずつステップバイステップで講師が教えてくださるので、それに従えば、問題なく技術習得ができて先に進むことができました。
もしも、これからGIAのニューヨーク校への留学を考えておられるのなら、英文で書かれた鉱物学の入門書や宝石学の入門書などを事前に読みこみ、専門用語にある程度精通していると、後で非常に役に立つと思います。
洋書の購入は日本ではかなり高価なので、下記の用語で検索してみてください。無料でダウンロードができるサイトがあるかもしれません。
- gemology free pdf
- mineral free pdf
- free pdf spring 2002 gems & gemology
※gia GIAの季刊誌、季節と西暦を変えて検索。
特に3番目は、GIAの季刊誌ですから、これくらいの英文がテキストに使用されていると予想してください。専門用語が多数出てきますが文章自体はさほど難しくはありません。
47丁目は、アメリカの一大宝石集散地!
GIAのニューヨーク校でGGを取得する理由には、もう一つあります。それは、ニューヨーク校が位置する47丁目の5番街と6番街の間には、宝石関連の企業、会社や商店がひしめきあっているということです。
私は、授業に余裕が出てきたらどんどんこの宝石関連の企業、会社や商店を見て歩きました。もしも宝石業界で将来も働いていくのなら、こんなに参考になる場所はありません。
実際、GIAのニューヨーク校でGGを取得した後、幸運にも47丁目の宝石輸出入会社に就職することができました。47丁目の北と南に立ち並ぶビルで立ち入りができるところにはどんどん足を運んで散策、視察や見学することをお勧めします。
そして、何かあれば、自分がGIAのニューヨーク校に在籍していることを伝えれば、相手も興味を持ち接してくれるはずです。
宝石留学まとめ
勿論、資格を取得できたことも大きな成果ですが、世界の宝石業界で活躍していくたくさんの友人たちとニューヨーク校で、又、47丁目で知り合えたことも大きな収穫だと思っています。
ニューヨークは、エキサイティングな街です。6か月のコース期間中で、特に最初の3か月は勉学に追われて遊んでいる暇などありませんでした。しかし後半ではクラスメートと週末などにジャズやミュージカルなどを楽しむことができました。
それらの思い出は、私にとってはかけがえのない貴重で素晴らしい思い出です。今でもメールやスカイプで連絡が取れる仲間が多くいるので、仕事でも役に立つ情報が共有できるのです。