ドイツ留学体験談、現代アート留学!芸術大学ってどんな感じ?

私は、ドイツの芸術大学に通い、無事に卒業した経歴があります。ドイツにアート留学というと若干マイナーなようにも思いますが、アートに詳しい人なら選択肢にかならずあるはずです。

確かにドイツで現代アートといわれても、ピンとこないかもしれません。そこで、ドイツの芸大にいくメリットやデメリット、そしてその特徴とは何なのか、それについてくわしく紹介したいと思います。

ドイツは学費がリーズナブル

芸術の都、といえばパリという人がいます。パリは今でもアートにとって重要な都市ですが、ナンバーワンの都市というなら、それは戦前までです。

戦後からは、ニューヨークにその地位をゆずっています。ニューヨークの芸大といえば、School of Visual Artsなどがあげられます。すばらしい体験になるでしょうが、年間4万ドルほどの授業料がかかります。

その点、ドイツでは、授業料はかなり安いです。州によってちがいますが、半年につき100〜600ユーロですみます。だからといって、授業の質が劣るというわけではありません。国立大学では、活躍している現代アーティストがたくさん教授についてます。

アート市場からみても、稼いでいるトップアーティストの数は、アメリカ人がいちばんですが、ドイツ人も少なくありません。ヨーゼフ・ボイスやゲルハルト・リヒター、ネオ・ラオホなどです。このことからもドイツで学ぶ意味は大きいと思います。

ドイツ留学で奨学金

また、ドイツでは奨学金も多くあります。

したがって、お金がたくさんあればアメリカがいいと思いますが、予算がそれほどないなら、ドイツに行けば、質の高い教育がリーズナブルに受けられます。

生活費は、ミュンヘンや南部だと高いかもしれませんが、そのほかの地域では節約すれば月500ユーロほどで暮らすことも可能です。通信費用以外は日本よりだいぶ安いかと思います。

ドイツの芸術大学について

ドイツの芸術大学は、国立大学、私立大学、そして専門大学があります(ちなみに芸術といっても、音楽については私にはよく分かりません)。

国立大学は20校ほどあり、ドイツではスタンダードです。逆に私立大学については、ドイツではあまり発達しておらず、その授業料も、アメリカほどではないですが高いです。

専門大学は、ファッハホッホシューレ(Fachhochschule)と呼ばれています。残念ながら、教授たちは現代アーティストとしてそれほど活躍してなかったりするので、ランクは国立大学より下にみられがちです。アトリエがないところもあるらしいです。

学期は、10月からはじまり、6ヶ月ごとのゼメスター(Semester)制です。学科は、伝統的なところでは、ジャンルごとに分かれています。

つまり、絵画科のマーラライ(Malerei)、彫刻科のビルドハウエライ(Bildhauerei)などです。そこに入学すれば、絵なら絵をずっと描きつづけることになります。

一方、大学によってはすこしモダンな学科もあります。それは、自由芸術科であるフライエクンスト(Freie Kunst)、あるいは視覚芸術科のビルデンデクンスト(Bildende Kunst)などです。

これらの学科は、絵画、彫刻、ビデオ、パフォーマンスなどすべてミックスした学科で、基本的に、芸術ならなんでも好きなことをやっていて構いません。昨今の現代アートは、ジャンルの枠を越えて制作していることが増えています。ひとりのアーティストが、彫刻もビデオもやるのは、今では普通です。

芸術大学のコース

国立の芸大は、ディプローム(Diplom)コースがほとんどです。5年間です。そのあとは、やる気があって教授もOKすれば、1年間のマイスターシューラー(Meister Schüler)になれます。合計6年。ですが、マイスターシューラーになれるのは1クラスに数名程度です。

私の知るかぎりでは、HFBKハンブルグが、芸大ではめずらしくバチェラー(Bachelor)コースをとりいれてます。そこは4年間で、そのあと修士に合格すれば、もう2年間あります。

学科の下には、クラスというカテゴリーがあり、クラスの数は、国立だと、10〜19クラスくらいでしょうか。ひとつのクラスには、ひとりの教授がいて、その教授が何をしている現代アーティストなのか、どんな性格なのかによって、クラスごとに特徴がでてきます。

大学では、クラスという概念は特徴的だと思います。クラスは、ときには家族のような、ときには師弟関係のような意味をもちます。そしてクラスごとに、アトリエがあります。それは、大きなひとつのアトリエのときもありますし、小さなアトリエがいくつかあるときもあります。

ドイツのアート留学まとめ

経験をもとにドイツの芸術大学について解説させてもらいましたが参考になったでしょうか?ドイツにはこのようにたくさんアートを学ぶ場所があります。街の中もストリートアートで溢れています。

日本人では、現代アーティストの奈良善智さんが、ドイツ留学をしたことで知られています。ここで紹介するのは現代アートです。