夢も希望もなく、ただ何となく毎日を過ごしていた10代。何か変わらなければと思ってもどうすれば良いのか、もがき苦しんでいました。そんな中、ドイツで過ごした半年間の留学生活。生半可な気持ちで向かった落ちこぼれ大学生を待ち構えていたのは、説教でした。

落ちこぼれ大学生

スポーツ、勉強と何もかも中途半端。夢中になれるものもなく、適当な気持ちで入学した国際系の学部。周囲は当然と言っていいほど海外に興味を持ち、温度差を感じずにはいられませんでした。主専攻として選んだ言語はドイツ語。特に理由はなく、ただ何となく。

そんな状態で勉学に打ち込めるはずもなく、徐々に同級生との差は開いていく一方でした。授業中も寝てばかりで、付いていけるはずもありません。それでもギリギリで単位だけは取得していき、学部のプログラムとして組まれていた留学への参加を決意。

はっきり言って、この時点でドイツ語が話せたのかと聞かれれば、言うまでもありません。それでも「このまま中途半端な状態で大学を卒業」だけは避けたかったですし、自分の中で何か変化が生まれれば。そんな淡い期待を胸に抱いて、大学2年の夏、ドイツへと向かいました。

説教から始まった留学生活

ヘッセン州に位置するマールブルク。目に映るものすべてが新鮮で、不安な気持ちなど微塵もありませんでした。ゼロからのスタートなわけですから、あとは這い上がるだけです。生まれて初めて親元を離れての寮生活。

まずは、アジア系の留学生に次から次へと話しかけていきます。留学先で知り合った方に日本語が話せるドイツ人を紹介してもらい、順風満帆な生活。クラスや寮内でもアジア人を中心に、つたないドイツ語で交流を深めていきました。人脈作りはまずまずのスタート。

到着してから2週間ほどが経過した頃。交換留学で知り合った日本人の方から、留学生同士で行く旅行の誘いを受けました。行先はミュンヘンのオクトーバーフェスト。僅か2週間足らずですが、語学力は順調に伸びていくのを実感しており、参加してみることに。

イベントマネジメント専攻の学生がドイツのオクトーバーフェストに行ってきました!

結果は散々。鼻をへし折られた気分。周囲のレベルの高さに圧倒され、話しかけることさえできませんでした。「明日から頑張ろう」そう思って帰りの電車で決意を固めていると、誘ってくれた方から長時間の説教を受けることに。それは、自分の甘さに気が付いた瞬間でもありました。

Yes Manになったら価値観が180℃変わった

旅行から帰ってきて、自分が何の目的を持ってドイツに来たのかを考えました。その答えは言わずもがな、自分自身の価値観を変えること。そのためには、とにかく行動することが一番です。誘われたら「No」とは言わない「Yes Man」になることを決意。

そして、どんな時でも笑顔でいることです。これらを持続することは決して簡単なことではありません。それでも日々「変化」を求め続けていれば、自然と身に付けられることでもありました。たった半年間で多くの人に名前を覚えてもらえたのも、そのお陰だと思います。

ドイツで過ごした半年間の留学生活で、語学力が格段に伸びたとは言えません。それでも多くの人と接して価値観を共有したことで、人間的には成長できたのかなと思います。実際に帰国した後、周りの友人は口を揃えて「人が違う」と評してくれました。

留学を考えている人へ本当に伝えたいこと

留学をする目的は、人それぞれだと思います。それでも無駄な時間は過ごして欲しくはありません。中には留学期間を遊んですごしただけで、何も変わらずに帰国する人がいます。良い思い出にはなったのでしょうが、たったそれだけで何も残りませんよね。

そうならないためにも、全てを受け入れる努力をしてください。自分が置かれている現状を受け入れることによって、物事に対する考え方も少しずつ変わっていきます。そうすれば狭い殻からも脱出し、積極的に行動することが徐々にできていくはずです。

留学という限られた時間の中で、自分をどれだけ変えることができるのかは行動力に懸かってきます。その前に、自分の中でルールを作ってください。私の場合は「Yes Man」になることでした。それを守り通していくことができれば、実り多い留学生活になるのかなと思います。