私は中国へ1年間ほど留学していました。今回は中国留学で経験したことを皆さんにお伝えできればと思います。留学を考えている方の参考になれば幸いです。
中国留学での経験
住まい
中国留学中の住まいは留学生寮を利用していました。留学先によりますが、留学生寮は一人部屋と二人部屋からなり、一人部屋は一日40元前後で、二人部屋はそれ以下の値段で住むことができます。
もちろん学外で住む場所を自分で見つけてもいいですが、私の場合、安全面の不安や契約の手間、また生活に便利なキャンパスを離れる理由が特になかったので、学外に住む選択は当初からありませんでした。
私は二人部屋に住み、香港とロシアのモスクワから来た学生とそれぞれ半年ずつ一緒に生活しました。中国語の勉強になり、彼女達と色々と交流もできたので、今振り返ってもとてもよかったと思っています。
始めは「他人と生活するなんて疲れるかな」「生活習慣がかなり違うだろうな」と心配していましたが、気を遣うのは始めの2、3日間、その後は、相手がまだ寝ているうちにゴソゴソ準備をして出かける、友人が部屋に戻ってきても自分は眠っていて気づかない…そんな自由な関係でした。
もちろん、会うたびに挨拶はしっかりして、時にはおやつを分け合ったり、共通の友人がいれば、一緒に食事に行ったりすることもありました。
各部屋は、トイレとシャワールームが一体となった空間と、備え付けのベッドやテレビ、勉強机、本棚等が置いてある部屋の二つからなっていました。備え付けの家具があるため、歯ブラシやシャンプー等の日用品を買い足せば、入寮したその日から生活を始めることができます。
部屋にキッチンはなく、代わりに各階に1カ所、コンロやシンクが3、4つある調理場がありました。調理器具を持っていれば、そこで調理が可能です。ただ、部屋に冷蔵庫がなく、キッチンは食事時いつも込み合っていたので、私は自炊せず、食堂に行って食べたり、外食で済ませたりしていました。
中国は食文化が豊かで料理の種類が多いため、外食が続いても飽きないこと、また作るより買う方が安いので、食事面で大変恵まれています。学校の食堂で食べる場合は一食15元以内、外のレストランでは20～30元が目安でしょうか。
大学内の施設についてですが、食堂やカフェ、レストラン、スーパー、携帯電話ショップ、理髪店や診療所等があり、かなり充実しています。中国の学生はほぼ全員キャンパス内の学生寮に住んでいるため、そのようになっています。
日本食レストランや日本食材を扱っている店
一部の大都市や、大連等日本人が多い都市は至る所にレストランがあり、比較的近距離に店もあるかと思います。一方地方都市の場合、レストランは探していかないとないほど少数、日本の食材に至ってはなかなか手に入らないことがほとんどです。
こうなると、日本一時帰国時に購入するか、日本の家族に送ってもらう、こちらの料理の味に慣れてくると、ほとんど日本食を食べない生活を送るようになります。中国でも日本食はかなり割高です。
インターネット環境
中国ではインターネット規制が敷かれています。LINEやFacebook、Twitter、You Tube等世界的なサイトにアクセスできません。また最近Yahooの検索機能も使えなくなりました。Skypeも接続が安定しないため、現在私は家族との連絡に中国のWe Chatの通話機能を使っています。
どのようなサイトが使えて、どのようなサイトが使えないのか心配な方は、アクセス状況を確認できるサイトをネット上で探して、事前にチェックしておいた方がいいかと思います。
治安
個人的には、中国の治安は比較的安全な方だと思います。昼間女性が一人で出歩いても全く問題ないといえるでしょう。ただ、日本と同じように、一人で夜間出歩かない、人気のない場所には近づかない等、安全意識は高く持つようにしてください。
中国はバスや路上でのスリ、電話やSNSを使った友人を騙っての詐欺が非常に多く、学生等の若者も狙われます。
人混みの混雑は日本の比ではないので、その中に入っていく場合、財布を後ろポケットやリュックサックに入れるのはもっての外、必ずポーチやチャックのある手持ちカバンにし、身体や手で抱え込みましょう。
また、友人であってもなりすましの可能性があるので、お金の貸し借りはしないようにしましょう。「おかしいな」という自分の感覚を無視しない、中国語で言われてよく分からなかったら信頼できる中国人に相談する等、冷静さを保つよう心掛けて行動してください。
大気汚染
大気汚染は、一時的でも中国に滞在する人にとっては考えざるを得ない問題です。こちらで暮らしていると、とても日常的なことなので、ついつい関心が薄くなってしまいますが、普段天気予報を見ると同時に、空気の汚染度もチェックするようにし、汚染がひどい場合は専用マスクを着用しましょう。
留学先の空気の質はどのくらいなのか、中国に来る前にある程度知っておくといいと思います。
中国留学まとめ
写真は大学併設の語学教育施設で中国語の勉強をしていた当時、施設に所属する留学生全員約200名で西安の兵馬俑へ5日間の団体旅行に出かけた際に撮ったものです。
私は中国留学で充実した日々を送ることができました。それは人生においてとても貴重な経験でした。留学先にはさまざまなところがありますが、留学先として中国を考えるきっかけになればと思います。
