私は15歳から日本の高校を中退して、奨学金の援助を受けてスイスのチューリッヒに4年間留学していました。
スイスでの4年間という年月は私にとって良くも悪くもこれからの人生を大きく左右するような出来事で、私がこれまで過ごしてきた日本での15年間の価値観をこのスイス留学によって大きく変えるような経験だったのだと今となっては思います。
そこで経験した体験談をこれから留学予定や留学してみたい方にご紹介します。
留学先はスイス チューリッヒ
私はチューリッヒにある芸術大学にバレエ留学をしていました。
学校は月曜日から土曜日まで朝9時から始まり、朝からバレエやその他コンテンポラリー、モダンダンスのレッスンをみっちり受けて、夕方からは座学のバレエの歴史、音楽の歴史、体の解剖学、語学(ドイツ語と英語)を受けて帰宅するというハードルスケジュールをこなしていました。
学校の校舎は寮からバスとトラムを乗り継いで40分くらいかかるところにあり、毎日の通学が大変でした。
下宿先の寮では約30人の人と一緒に生活していて、基本2人1部屋というスタイルで暮らしていました。寮には色々な国から来た人たちがいたので、日々色々な国の言葉が寮中を飛び交っている様子でした。
チューリッヒの町並み
チューリッヒの町並みはこれがヨーロッパかと思わせるような歴史的な建造物もあればモダンでアーティスティックなビルがたくさん立ち並んでいたりと時代をミックスしている町並みですごく綺麗です。
町の中心地は大きな中央駅から始まり、駅前の大通りはチョコレート店、雑貨屋、たくさんの洋服店やブランドショップ、薬局やデパートなどが立ち並んでいて、毎日たくさんの人々がショッピングをしに訪れます。
この大通りを抜けると目の前には美しいチューリッヒ湖が広がっており、周りにはオペラ座や映画館、たくさんのカフェやレストラン街がありチューリッヒ市民の憩いの場となっています。
留学先でのカルチャーショック
物価が高い
スイスはとにかく物価が高い。食費や寮代、交通機関、保険料その他どこに行くにしてもいくらあっても足りないじゃないかというくらい出費が激しいです。
外食をしようものなら一回5千円はもっていかれる覚悟が必要です。
マクドナルドもセットを頼めば千円は軽くかかるので留学していた時の私にとってマクドナルドはご馳走でした。
奨学金を貰っていましたが、それでも節約は欠かせませんでした。
言葉が通じない
スイスは公用語が4つありフランス語、ドイツ語、イタリア語、ロマンシュ語が使われ、地域によって話す言語が異なります。チューリッヒではドイツ語を主に話します。
私は15歳の中学英語しか分からない、さらにドイツ語に関しては全くと言っていいほど知らないという状態からスイスで生活をスタートさせたため最初のころは相当苦労しました。スーパーでの買い物や店での注文が特に大変でした。
学校や寮ではほとんど英語で話すのでさほど問題はなかったのですが一歩街に踏み出すとドイツ語の壁が大きく立ちはだかってきました。
これはもう慣れるしかありませんが、アドバイスとしては留学前にある程度勉強していった方が確実にいいです。そして現地でどんどん覚えた言葉を使ってトライする方が上達は格段に違います。失敗しても一瞬恥をかくだけなんで新しく覚えた言葉をどんどん使ってみてください。
友達との会話レベルが合わない
私が一番驚いたのが友達との会話の内容でした。みんな普段から日常会話で政治の話やテレビや新聞で見たニュースについて自分はどう思っているのかを議論したりしているのです。
日本にいたときは周りの友達と政治の話などめったにしたことがなかったので、こっちでは同世代の人たちが自分の意見を主張しさらに自分から興味を持ったことをとことん調べたりすることに驚き、同時に自分がどれだけ無知なのかを痛感しました。
留学してから変わったこと
留学してからは改めて日本の良さやすばらしさをより実感できるようになりました。
日本に住んでいた時は気付かなかったちょっとした気遣いや日本人の優秀さ、住みやすさが改めて実感でき、また新たな発見も出来ると思います。
さらにコミュニケーションの大切さも学びました。異国の地は言葉やルールが完璧に分からないのでどうしても人に聞くしかありません。そのためにはどうしたら自分が聞きたいことが相手に伝わりやすいだろうかなど考えコミュニケーション能力を伸ばさなければなりません。
日本やどこの国にいようとこれから先、生きていくにはコミュニケーションは不可欠なのでこれからも色々な方とコミュニケーションを積極的に取っていきたいと思います。
チューリッヒでの留学体験談まとめ
チューリッヒでの4年間、最初は苦労しかなかったですが時間が経つにつれて自分が成長することができ、色々な経験をすることが出来ました。
この苦労や経験はこれから先も自分を助けてくれるだろうと信じています。
皆さんもぜひ留学にチャレンジしてみてください。